幕末から明治期に活躍した啓蒙思想家で、学校法人慶應義塾の創設者である福澤諭吉。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」から始まる著書『学問のすゝめ』はあまりにも有名です。明治5年(1872年)に発行された初編以降、同書は大ベストセラーとなり、 第17編までシリーズ化されました。
明治8年(1875年)に発刊された第14編で、福澤は商人の心得を次のように説いています。
これは、「平日の帳合を精密に(=日々の記帳を正確に)して、棚卸の期を誤らざる(=常々きちんと決算を行う)」ことこそが、商売で最も大切なことであるということを意味しています。「日々の記帳」と「月次決算」の重要性が、約150年前から指摘されているのです。まさに現代の経営にも通じる金言といえます。