夏から秋にかけては台風シーズン。
風水害や地震等により法人の資産が被害を受けたときの損害額や復旧費用、被災した従業員や取引先を支援したときの支出等の多くは、当期の費用や損 失として損金とすることができます。
法人の商品、原材料等の棚卸資産や、店舗、事務所、工場、備品、車両等の固定資産が被災したことによる損害額は、評価損や除却損として損金にすることが認められます。
被害を受けた店舗・事務所等の取壊しや除去のための費用、土砂等の障害物を除去するための費用も同様です。
法人の被災した固定資産(被災資産)に対する支出については、その内容によって、資本的支出として資産計上すべきものと、修繕費として損金にできるものがあります。
被災資産の修繕に代えて新規に資産を取得したときは、その取得費用は固定資産として資産計上します。
一方、被災資産の原状回復のための費用は修繕費とする処理が認められます。
①被災資産の被災前の効用を維持するために行う補強工事、排水または土砂崩れの防止等のための支出
(例: 地震により地盤沈下や地割れした土地への地盛り、二次災害の回避のために 耐震性を高める補強工事等)
②被災資産についての支出が修繕費か資本的支出かが明らかでないとき、その支出金額の30%相当額(残額を資本的支出として処理する必要があります)