事業を運営する中で、業務の一部を外部の事業者に委託することは一般的です。しかし、その際に「下請代金支払遅延等防止法」(以下「下請法」)の適用を受けるかどうかは重要なポイントとなります。
下請法は、発注者(親事業者)と受注者(下請事業者)との取引において、下請事業者が不当な扱いを受けないよう保護するための法律です。特に、支払いの遅延や不当な減額などを防ぐための規定が設けられています。
下請法は、資本金が1,000万円以上である法人による発注のみが規制の対象です。
下請法の対象となる取引は、「製造委託」「情報成果物作成委託」「役務提供委託(サービス提供委託)」「修理委託」の4つです。
取引の種類 | 親事業者(発注者) | 下請事業者(受注者) | 適用対象 |
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製造委託・修理委託 | 資本金1,000万円超3億円以下 | 資本金1,000万円以下(個人を含む) | 適用あり |
製造委託・修理委託 | 資本金3億円超 | 資本金3億円以下(個人を含む) | 適用あり |
情報成果物作成委託・役務提供委託 | 資本金1,000万円超5,000万円以下 | 資本金1,000万円以下(個人を含む) | 適用あり |
情報成果物作成委託・役務提供委託 | 資本金5,000万円超 | 資本金5,000万円以下(個人を含む) | 適用あり |
下請法は、発注者が他社から請け負った役務提供を下請事業者に再委託する場面に限られます。
発注者自身の商品の配送を他社に委託しても下請法は適用されません。
下請法は、下請事業者に責任がないのに、発注時に定められた金額から一定額を減じて支払うことを全面的に禁止しています。
値引き、協賛金、歩引き等の減額の名目、方法、金額の多少を問わず、また、下請事業者との合意があっても、下請法違反となります。
資本金1,000万円未満の会社が他社に業務を委託する場合は、下請法の適用を気にする必要はあまりありません。しかし、下請法の適用がないからといって、支払いの遅延や不当な条件変更を行うことは、取引関係の悪化や信用リスクを招く可能性があるため、適正な取引を行うことが大切です。
契約書の作成や取引条件について不安がある場合は、税理士事務所などの専門家に相談することをおすすめします。