経営の安定と成長を目指す企業にとって、さまざまな「リスク」を事前に想定し、適切な対策を講じることは不可欠です。ヒト・モノ・カネに関わるリスクは、企業の存続や発展に大きな影響を及ぼす可能性があります。当事務所では、経営者との対話を通じて潜在的なリスクを洗い出し、効果的なリスクマネジメントをサポートしています。この記事では、リスクマネジメントの基本的な考え方と、具体的な対策について解説します。
当事務所が推奨するリスクマネジメント(リスマネ)指導では、リスク対策を以下の4つに分類しています。これらの対策を適切に組み合わせることで、企業はリスクを最小限に抑え、安定した経営基盤を築くことができます。
ポイント: リスク対策は、企業の状況や規模に応じて柔軟に選択する必要があります。どの対策が最適かを判断するためには、専門家のアドバイスが不可欠です。
リスク対策の中でも、「リスクの移転」に該当する保険契約は、企業防衛の重要な手段です。特に、以下のような保険が企業にとって有効です。
経営者や従業員に不測の事態(死亡や就業不能など)が発生した場合、事業継続や家族の生活安定のためにまとまった資金が必要です。このような場合、生命保険による保障が役立ちます。当事務所では、TKC企業防衛データベース(KBD)を活用し、企業の財務データに基づいた「標準保障額」を算定します。この標準保障額は、運転資金や役員退職慰労金など、企業と家族の双方に必要な資金を明確にするための指標です。
火災、水害、自動車事故、情報漏洩、労務災害など、損害保険がカバーするリスクは多岐にわたります。しかし、これらのリスクは目に見えず、実際に損害が発生するまでその影響が顕在化しないことが多いため、適切な補償額の算定が難しい場合があります。そこで、当事務所では「リスクチェックシート」を活用し、企業の潜在的なリスクを可視化します。このツールを使用することで、リスクの優先順位を明確にし、必要な保険契約を効率的に検討できます。
リスクチェックシートとは?
TKC全国会リスクマネジメント制度推進委員会が提供するツールで、企業のリスクを体系的に洗い出し、適切な保険契約を提案するためのものです。ProFITの「リスクマネジメント推進ツール」からダウンロード可能です。
TKC企業防衛データベース(KBD)は、(株)TKCと大同生命保険(株)が共同開発した、リスクマネジメントを支援する強力なツールです。このシステムを活用することで、以下のような業務を効率的に行うことができます。
KBDは、経営者や従業員に万が一の事態が発生した際に、事業継続や家族の生活を守るための資金ニーズを明確にし、適切な保険商品を提案するためのプラットフォームです。当事務所では、KBDを活用した保険指導を通じて、関与先企業のリスクマネジメントを強力にサポートします。
TKC全国会リスクマネジメント制度推進委員会では、リスクチェックシートをはじめとするさまざまな推進ツールを提供しています。これらのツールは、ProFITの「各種サービスのご利用団体保険リスマネツール等」からダウンロード可能です。リスクマネジメントを効果的に進めるためには、こうしたツールを活用し、企業のリスクを可視化・評価することが重要です。
企業の安定経営を実現するためには、ヒト・モノ・カネに関わるリスクを事前に洗い出し、適切な対策を講じることが不可欠です。当事務所では、TKC企業防衛データベースやリスクチェックシートを活用し、関与先企業に最適なリスクマネジメントを提案します。リスクを未然に防ぎ、万が一の事態に備えることで、貴社の未来をしっかりと守ります。リスクマネジメントに関するご相談は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。
参考文献
– TKC全国会リスクマネジメント制度推進委員会監修『関与先を守る!リスクマネジメント推進マニュアル』
– TKC全国会企業防衛制度推進委員会・大同生命保険株式会社『TKC企業防衛データベース操作説明書』(2025年6月)
– TKC全国会大同生命業務提携50周年記念誌『ともに未来へ~関与先完全防衛の実現に向けて~』(2024年9月)