融資の使い道とともに、金融機関がもう1つ確認したいのが「きちんと返済してもらえるのか」です。
金融機関は、企業等から融資の申し込み等があった際、その企業の ①返済力 ②返済プラン を稟議書に記入する必要があるからです。
直近の経営状況はもちろん、「将来どうしていきたいか」が大切です。
決算書や試算表等の数字を基に、「こうなるから返済は可能」という返済に向けた具体的な道筋を説明できるようにしましょう。
返済力の確認方法は金融機関によってさまざまですが、 例として、次のようなものが目安になります。
収益が安定しており、返済するだけの余裕があることを示せると、金融機関も安心です。
負債が純資産を上回っている状態 (債務超過)では、新規の融資 (負債の増加)は困難です。
自己資本が充実していると、一時的な赤字で急に倒産してしまうおそれがないことがわかります。
EBITDA 有利子負債倍率は、現在の利益(償却前営業利益)と借入金とのバランスを示す指標です。
この数値が低いほど、キャッシュを稼ぐ力 (収益力)が高く、返済力があると判断できます。
具体的には 次の式で求められます。
EBITDA 有利子負債倍率(倍)=( 借入金 – 現預金 ) ÷ ( 営業利益 + 減価償却費合計 )
「運転資金」の融資を受ける場合は、売上増加や経費削減にどのような打ち手があるのか、返済の原資はどの程度確保できるのかを「資金繰り表」や「経営計画書」等のかたちで具体化しましょう。
「設備資金」の融資を受ける場合は、その設備にいくら必要で、どの程度の利益が生まれるかを、「経営計画書」等に落とし込みましょう。