「うさぎ税」について、ご存知でしょうか?
明治時代にうさぎに税金がかけられていました。
明治時代、特に明治5年(1872年)頃から、日本において輸入された外来種のうさぎが、単なる愛玩動物としてだけでなく、投機の対象としても注目を集めました。この時期、特に毛並みや色、耳の形が珍しいうさぎが高値で取引され、価格が急騰していきました。
うさぎの売買は「兎会」と呼ばれる集会で行われ、番付表が発行されるほどの熱狂ぶりでした。
こうした投機熱がエスカレートする中、ついには親子の争いで命が失われる事件まで発生します。これを受けて、東京府(当時は都ではなく府)は明治6年(1873年)12月、うさぎの取引を規制するための布達を発布しました。この規制では、うさぎの売買には届け出が必要とされ、所有者はうさぎ1羽につき毎月1円の税金を納めることが義務付けられました。また、無届けでうさぎを所持した場合には、1羽につき2円の罰金が科されることとなり、さらに、多人数での集会や競売も禁止されました。
この規制により、うさぎの価格は急落し、うさぎを多く所有していた者は破産に追い込まれることが相次ぎました。同時に、飼育放棄や殺処分が相次ぐという悲しい現実も生じました。このように、うさぎブームは一部の人々の投機熱によって過熱し、その後、厳しい規制によって急速に収束しました。
明治12年(1879年)6月4日、東京府はうさぎ税を含む府税を廃止する布達を出しました。この措置により、うさぎの飼育や売買が再び活発化し、一時的に再流行の兆しを見せましたが、明治13年(1880年)頃には再び衰退していきました。
投機熱が社会問題化したことで、東京符はうさぎ税を導入し、売買や飼育に対する規制を行いました。これにより、市場の過熱が収束しましたが、同時に税の重圧が原因で飼育放棄が増えるなど、意図しない副作用も発生しました。これから学べるのは、社会や経済において適切な規制が必要であると同時に、その規制がもたらす影響を慎重に考慮する必要があるということです。
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