相続税の対象となる財産はどのようなものかという質問をいただきます。
相続税の対象となる財産は、「相続財産」として定義されます。相続税は、被相続人が死亡した時点で存在する財産と、一定の条件を満たす贈与によって取得された財産の合計額に対して課されます。具体的な相続税の対象となる財産には以下のようなものがあります。
相続税は、原則として、死亡した人の財産を相続や遺贈(死因贈与を含みます。)によって取得した場合に、その取得した財産にかかります。
この場合の財産とは、現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものをいいます。
次に掲げる財産も相続税法の規定などにより相続税の対象となります。
(1) 死亡退職金、被相続人が保険料を負担していた生命保険契約の死亡保険金など
(2) 被相続人から生前に贈与を受けて、贈与税の納税猶予の特例を受けていた農地、非上場会社の株式や事業用資産など
(3) 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた場合の管理残額(死亡日において受贈者が23歳未満であるなど一定の場合を除きます。)
(4) 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税の適用を受けた場合の管理残額
(5) 相続や遺贈で財産を取得した人が、被相続人の死亡前3年以内に被相続人から財産の贈与を受けている場合(一定の特例を受けた場合を除きます。)
(6) 被相続人から、生前、相続時精算課税の適用を受けて取得した贈与財産
(7) 相続人がいなかった場合に、民法の定めによって相続財産法人から与えられた財産
(8) 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額で確定したもの
相続税の計算は複雑で、各財産の評価方法や控除、非課税の適用条件など、多くのルールが存在します。税理士などの専門家のアドバイスを受けながら、適切な手続きを進めることが重要です。