「経常利益」は、限界利益から固定費を引いた残りで、経営の総合的な成果、いわば社長の「最終成績」ともいえる数字です。自社にとって必要な利益をしっかり認識した上で、期末に黒字化できるよう、毎月の業績管理で自社の経営状態を把握しましょう。
経常利益がマイナスであれば、慢性的な資金不足を引き起こしかねません。
その資金不足を解消するため、多くの場合、金融機関からの融資を仰ぐことになりますが、経常利益をプラスに転じさせなければ、借金依存体質から抜け出すことはできません。
また、たとえ経常利益がプラスでも、自己資本の蓄積が少ない会社では、その資金は借入金を返済するための元本や在庫、売掛金に滞留し、キャッシュとして残るまでには至りません。
加えて、法人税等の納税資金を準備する必 要がありますが、 利益に対して約30%の法人税等を納税しても、約70%は内部留保に回せます。毎期、当期純利益を蓄積し、自己資本比率が30%を超える段階になると、「キャッ シュが増えてきた」と実感できるようになるでしょう。
まずは自社にとって必要な経常利益を、きちんと把握することから始めましょう。