「経常利益」は、限界利益から固定費を引いた残りで、経営の総合的な成果、いわば社長の「最終成績」ともいえる数字です。自社にとって必要な利益をしっかり認識した上で、期末に黒字化できるよう、毎月の業績管理で自社の経営状態を把握しましょう。
経常利益は、1年間の社長の努力が表れる数値です。 毎期黒字にし、自己資本として蓄積していくことで、経営が安定します。PDCAサイクルによる業績管理と、正確な月次決算による迅速な打ち手を検討することで、必要な経常利益をしっかり残せる黒字体質の会社を目指しましょう。
次のような視点から、自社に必要となる経常利益を具体的に計算し、目標を定めましょう。
現在赤字の場合は、それを解消し、収支を均衡させる
借入金を計画的に返済していけるようにする
現預金を増やしてキャッシュフローを安定させる
新規事業や大規模修繕等のために資金を積み立てる
将来の 「目標自己資本比率」を設定し、それが実現できるようにする
目標達成に向けた期中の具体的な打ち手としては、次のような取り組みが挙げられます。
・売上高を増やす
価格や値引きの見直し、無料の業務やサービスの有料化、 顧客リストの作成等
・限界利益を増やす
物流のコストの見直し、歩留まりの改善、限界利益率が高い商品の販売促進等
・固定費を見直す
DXの推進による効率化、省エネ設備等への切り替え、人件費の見直し等
決算を見据えて、 経常利益が目標より多い場合、 少ない場合にそれぞれの対策を行います。
・経常利益が目標よりも多すぎる場合
決算賞与の支給、減価償却資産や30万円未満の備品の購入、不良在庫の処分等
・経常利益が目標に達しない場合
土地や株式等の処分、役員報酬や交際費等の節減、 来期への経費の先送り 等