近年、環境保護と業務効率化の必要性が高まる中、多くの業界でペーパーレス化が進んでいます。税理士事務所も例外ではなく、デジタル化への移行はもはや避けられない流れとなっています。この記事では、税理士事務所がペーパーレス化を実現するためのステップと、そのメリットについて詳しく解説します。
環境への配慮
ペーパーレス化は、紙の消費を減らし、環境への影響を最小限に抑えます。環境に配慮した経営は、クライアントや社会からの評価も高まります。
業務効率の向上
デジタル化されたデータは検索が容易で、物理的な書類の整理や保管にかかる時間とコストを削減できます。また、保管スペースが不要となり、オフィススペースを有効活用できます。
セキュリティとアクセス性の向上
データの暗号化とバックアップによる安全性を確保しつつ、リモートアクセスによる作業の柔軟性が向上します。
現状分析と目標設定
・どの業務がデジタル化に適しているかの評価
・ペーパーレス化に向けた具体的な目標の設定(誰が・何を・いつまでに)
適切なツールの選定
・書類管理システムの選定
・スキャナーやデジタル署名ツールの導入
従業員のトレーニング
・デジタルツールの使用方法に関するトレーニング
・ペーパーレス化の利点を理解させ、積極的な参加を促す
実践例
1.目標の決定
当事務所での課題は、紙で保管している客先の決算書・申告書、契約書などの書類(幅90cm✕高さ100cmの一般的な三段スチール書庫約10台分)のペーパーレス化および今後、紙媒体を増やさないためのドキュメント・ハンドリング・ソフトウェアを導入
2.事務所内にファイルサーバーと事務所内LANに接続したスキャナ機能付き複合機を準備
ファイルサーバーの要件は、
a.部外者からアクセスできない
b.スタッフは、事務所外からリモートアクセス可能
c.クラウドおよび内部に定期バックアップ
3.ファイルサーバーに客先ごとのフォルダーを作成し、担当者を決めて、書類をPDF化してファイルサーバーに格納
4.ドキュメント・ハンドリング・ソフトウェア(DocuWorks)を導入し、FAX・回覧・ドキュメントの承認などをペーパーレス化
ペーパーレス化は税理士事務所にとって多くの利点をもたらします。環境への配慮、業務の効率化、そしてより良いクライアントサービスの提供が可能になります。今後もデジタル技術の進化に合わせ、税理士事務所の働き方はよりスマートかつ持続可能なものになっていくでしょう。