融資審査において、決算書等の「数字」(定量要因)は非常に重要ですが、実は、その定量要因と同じくらい重要なのが、数字に表れない、社長の 「経営姿勢」(定性要因)です。
企業の成長を、融資というかたちで応援するのが金融機関の役割。
金融機関から「応援したい!」と思ってもらうには、社長の熱意や、経営姿勢がとても大切です。
金融機関が重視するものとしては、①自社の状況を「数字」で語れるか? ②定期的な「情報開示」をしてくれているか? があります。
現在の借入金の状況を踏まえた上で、「必要資金はいくらか」「今後いくらの売上高・利益を確保すればよいか」「そのための打ち手は何か」について、具体的なデータ(数字)に基づいて説明できると金融機関の安心感は高まります。
必要資金とは 「毎期必ず支払う必要のあるお金」 で、次のような ものが該当します。
・年間人件費
・役員報酬
・家賃等の固定費
・借入金 (短期+長期)
・リース債務
これらの必要資金は、売上高から変動費を除いた限界利益額から支払います。
そのため、予想売上高・限界利益額を試算し、「限界利益額 > 必要資金」となっているかどうか、チェックしましょう。
もしも、「限界利益額 ≦ 必要資金」 となっている場合には、 ①売上高のアップ ②限界利益率のアップ ③固定費 (人件費・役員報酬・家賃等) の削減等 が必要になります。
必要資金をまかなえるだけの売上高・限界利益額を確保するためにどんな打ち手が考えられるか、整理しておくと良いでしょう。/p>
当然ながら中小企業は自社のことがよくわかりますが、金融機関は、基本的に融資の申し込みの時に提出された決算書等から得る情報しかありません。これを「情報の非対称性」といいます。そうした中でも金融機関は、融資先の最新情報を把握したいもの。そこで、「TKCモニタリング情報サービス (MIS)」を通じて、決算書だけで なく試算表も定期的に提出するようにすると良いでしょう。
特に最近は、物価高や資源高、円安の影響等もあり、経営状況は目まぐるしく変わります。そのため、業績の良し悪しにかかわらず、定期的に金融機関に自社の最新情報を開示しておくと、「情報の非対称性」が解消され、資金が必要段階で融資の相談に乗ってもらえることが期待できます。
MISについて詳しくは、当事務所にお問合せください。