棚卸資産の基本を徹底解説 | 澤田匡央税理士事務所
決算業務の重要な一つである「棚卸し」。正しく行うことで売上原価が正確になり、適正な利益計算が可能になります。
しかし、付随費用の計上漏れや未使用消耗品の扱いなどでミスが起きやすいのも事実です。
国税庁の通達に基づき、税理士の視点から棚卸資産の基本をわかりやすく解説します。
棚卸資産とは?
企業が販売や製造のために保有している以下のものを「棚卸資産(在庫)」といいます。
- 商品(販売目的のもの)
- 製品(完成品)
- 原材料
- 仕掛品・半製品(製造途中のもの)
- 貯蔵品(事務用消耗品、切手、収入印紙など未使用のもの)
なぜ棚卸しが必要か?
決算時に実地棚卸しを行うことで、帳簿上の在庫と実際の在庫を照合し、正確な売上原価を算出します。これにより、適正な利益を確定し、税務調査でも信頼できる資料となります。
売上原価の計算方法
売上原価は以下の式で求められます。
| 項目 |
内容 |
| 期首棚卸高 |
前期末の在庫金額 |
| + 仕入高 |
当期の仕入金額(帳簿上計算済み) |
| – 期末棚卸高 |
当期末の実地棚卸し結果による在庫金額 |
| = 売上原価 |
当期に売れた商品の原価 |
期末棚卸高の計算ミスは直接利益に影響します。慎重に行いましょう。
棚卸資産の取得価額はどう決まる?
取得価額は「購入代価(値引・割戻しを除く)」+「付随費用」で構成されます。
主な付随費用例:
- 引取運賃・荷役費
- 運送保険料
- 購入手数料
- 関税・通関手数料
3%ルール(少額付随費用)
以下の付随費用が購入代価の概ね3%以内であれば、取得価額に算入せず、販売費及び一般管理費として費用処理できます(国税庁通達5-1-1)。
- 買入事務・検収・整理・選別・手入れ等
- 製造後の検査・検定・整理等
- 販売所間移管のための運賃・荷造費
- 長期保管のための費用
実地棚卸しの基本手順
- 事前準備:日程決定、棚卸原票準備、倉庫整理、役割分担、入出庫停止の周知
- 現物確認:品目ごとに数量を数え、状態チェック、ダブルチェック実施
- 記録と集計:棚卸原票に記入、帳簿と比較
- 差異分析:差異原因調査(入力ミス、盗難など)、承認
- 確定:在庫数量更新、棚卸表作成・保管
決算日に実施が理想ですが、事前実施も可能(決算日までの仕入を加算)。
注意すべきポイント
- 付随費用の計上漏れ:引取運賃等を忘れがち。仕入諸掛勘定で事前区分けを推奨。
- 未使用消耗品:事務用品・包装材料・切手等は貯蔵品として棚卸資産に計上。ただし、継続的に一定数量を購入し、購入時に費用処理している場合は消耗品費でOK。
- 税務調査のポイント:棚卸資産は操作しやすいため、必ず確認対象。計上漏れは所得過少となり、重加算税のリスクも。
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