相続税の税務調査は、実地調査と簡易な接触をあわせると年間で約2万件実施され、実地調査ではかなりの確率で修正申告となっています。
相続税の税務調査の現状や相続税の課税状況については、毎年12月、国税庁のホームページ上で公表しています。
相続税の実地調査は、資料情報等から申告額が過少であると想定される事案や、申告義務があるにもかかわらず無申告であると想定される事案等について、実地調査を実施しています。
令和3事務年度(令和3年7月〜令和4年6月)においては、新型コロナウイルス感染症の影響により実地調査件数が⼤幅に減少した令和2事務年度から、実地調査件数(6,317 件)、追徴税額合計(560 億円)は、ともに増加(対前事務年度⽐123.7%、116.2%)しました。
また、1件当たりの申告漏れ課税価格は 3,530 万円(対前事務年度⽐ 101.0%)となり、過去 10 年間で最高、1件当たりの追徴税額(886 万円)は過去最高だった令和2事務年度に次いで2番目となりました。
実地調査を適切に実施する⼀⽅、⽂書、電話による連絡⼜は来署依頼による⾯接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)の⼿法も実施されています。
令和3事務年度においては、令和2事務年度に引き続き簡易な接触に積極的に取り組むことにより、接触件数は 14,730 件(対前事務年度⽐ 108.0%)、申告漏れ等の⾮違件数は 3,638 件(同 116.1%)、申告漏れ課税価格は 630 億円(同 112.5%)、追徴税額合計は 69 億円(同 107.2%)と、いずれも簡易な
接触の事績の集計を始めた平成 28 事務年度以降で最高となりました。