毎月の経営状態を変動損益計算書で「見える化」し、問題点等を把握すれば、心配事が少なくなり、また、問題解決に向けた具体的なアクションにつなげることもできます。変動損益計算書のうち、社長が最初に意識すべき「売上高」について見てみましょう。
基本的に、売上高は販売単価✕販売数量で決まります。つまり売上高を増やすには、単価を上げるか、数量を増やすか、そのいずれかが必要です。
単価と数量、どちらを重視するのかを決めるのも大事な経営判断の1つです。図表を参考に、社内でどのような取り組みができるのかを検討し、売上高アップの手がかりを探ってみてください。
どの会社にも、必ず強みにできるものがあります。会社全体で売上高の分析を行い、自社の強みと弱みを見つめ直して、経営に活かしましよう。
販売単価を上げるには、
①価格そのものを上げる
②値引きを見直す
③無料(単価ゼロ円)の業務やサービスを有料にする
という切り口から挑戦しましよう。
・売れるギリギリの値決めを心がけているか
・顧客に価格以外の商品価値をPRしているか
・価格以外の魅力で当社から買ってもらえる努力をし続けているか
・顧客が他社ではなく、当社の商品を購入してくれる理由を言えるか
・将来の売れ筋商品、新商品を探す取り組みをしているか
・誰が、いくら値引きをすることができるか のルールが決められているか
・アフターサービスや修理、点検などを無料で行っていないか
・出張サービスの交通費や飲食店等におけるお客様の送迎費を無料にしていないか
・振込手数料や商品発送時の荷造運賃・梱包費用などを自社負担にしていないか
販売数量を増やすには、
①顧客そのものを増やす
②顧客1人当たりの購入量を増やす
③リピート回数を増やす
ということを目指しましよう。
・他の地域、他の年齢層等へ客層を広げることがでぎないか
・顧客リストを作成しているか
・商品の品揃えを増やしたり、販売後のメンテナンス事業に展開したりできないか
・顧客に定期的に思い出してもらえる仕組みをつくっているか
・品質だけでなく、接客やクレー厶対応など の顧客満足にも対応してしているか