日々発生する経理業務。
ついつい、忙しさにかまけて「これくらい大丈夫かな」 「まあ、いいか」という思いが頭をよぎったことはありませんか?
そうした小さな油断は、会社の大きな損失につながることもあります。
あらためて経理の 「きほん」 を見直してみましょう。
中小企業の経理担当者は、総務・人事・労務など複数の業務を兼務するケースが多いことでしょう。
さまざまな業務をこなし、毎日の限られた時間の中では、記載事項等に不備のある証憑書類 (領収書・請求書等) が回ってきても、「担当者に確認している時間もないし
……まあ、いいか」と目をつぶってしまいかねません。
けれども、実はそうした「まあ、いいか」 は御法度です。
日々の経理処理は、「いま会社 にいくらお金があるのか」 「今月はどの商品がどのくらい売れたのか」 といった事業の実態をタイムリーに、かつ正確に把握するベース となるもの。
不確かな経理処理の積み重ねによってできあがる試算表や決算書は、当然、あいまいで不正確なものになり、その結果、社長は最適な経営判断を下すことが難しくなってしまいます。
また、「経理処理の不確かさ=お金の管理の甘さ」は、会社全体のモラルを低下させ、「公私混同」や不正を招く要因にもなります。
経理処理こそ「基本に忠実」 が重要です。
下表を基に、あらためて自社の体制を見直してみましょう。
できていますか? 経理の 「きほん」 のおさらい
□ 仕入計上・売上計上のタイミングを理解し、継続的に適用している。
□ インボイスの記載要件を満たした書類を基に仕入税額控除を行っている。
□ すべての証憑書類は発生順に整理し、月ごとの一連番号(伝票と共通のもの)を記入している。あるいはスキャナ保存する場合は、すみやかに処理している。
□ 現金商売を行っている場合、レジ締め後に金種表や現金出納帳等にきちんと記録するとともに、 残高合わせを行っている。
□ 切手や回数券、 商品券など換金性の高い社内物品については、その購入と使用履歴をきちんと管理している。
□ クレジットカードを使用する場合、公私混同していない (法人専用カードの利用など)。
□ 交通費、旅費、慶弔などの支払いや手続きは、定められた規程に基づいて適切に行っている。
□ 交際費を支出する場合は、 社内で定められたルール (金額・相手等)に基づいている。
□ 交際費や会議費等の領収書には摘要 (日付・金額・取引先名・人数・使途)をもれなく記載するルールとし、社内で徹底できている。
□ 従業員等による立替払い等の精算は、期限を1~2週間程度とするなどの社内ルールのもとで、すみやかに行われている。
□ 月次決算を翌月中に完了し、会計事務所による月次の巡回監査を受けている。