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2024年10月22日 会社経営おやくだち

赤字続きの会社をたたむ際の欠損金の有効利用方法

会社をたたむ(清算)決定をする際、欠損金の取り扱いについては慎重に検討する必要があります。
欠損金を有効に活用できる場合、税務上の負担を軽減することができ、会社の最終的な清算手続きにおいて重要な影響を及ぼします。
本記事では、欠損金の活用方法と、その手続きに関するポイントについてご説明します。

1. 欠損金の繰越控除

まず、法人税法上、欠損金は最長10年間にわたり繰越控除が可能です。
この制度を活用することで、将来の利益と相殺する形で法人税を軽減できます。
たとえば、赤字の期間が続いた後、事業の一部を売却して利益が発生する場合、その利益と過去の欠損金を相殺することが可能です。

ただし、会社をたたむ決定をして清算手続きを開始する前に、利益を生む可能性のある取引や事業の譲渡があるかを確認することが大切です。
利益を生む取引を完了させてから清算手続きを進めることで、欠損金を最大限活用することが可能です。

2. 清算時の欠損金の取扱い

会社の清算手続きにおいても、残された欠損金は適切に処理することが求められます。
通常の営業損失として計上されていた欠損金は、清算所得計算においても考慮されます。
清算所得は、会社の資産売却や清算中に得られる収益と、清算時の費用を差し引いて算出されますが、この清算所得が発生する場合には、欠損金との相殺が可能です。

ただし、清算手続きの段階に入ると、営業活動が停止するため、通常の法人税法上の繰越控除の利用は制限されることがあります。
そのため、清算前に欠損金を利用した税務調整を行うことが重要です。

3. 欠損金の譲渡やM&Aを検討

欠損金が多額に残っている場合、会社の清算を避け、欠損金を活用できる別の企業と合併(M&A)を検討する選択肢もあります。
ただし、欠損金を引き継ぐためには、一定の条件を満たす必要があります。
たとえば、会社が事業を継続していることや、同一の事業内容を一定期間維持することなどの条件があります。

4. 欠損金の有効利用に関する注意点

欠損金の繰越や相殺を行う際、適切な税務申告が必要です。
特に、清算手続きや事業譲渡を行う場合、税務上の書類や申告書の作成は専門知識が要求されます。
また、税法は改正されることがあるため、最新の法規を確認し、適切に対応することが重要です。

まとめ

赤字続きの会社をたたむ際には、欠損金の有効利用が重要な税務上の課題となります。
繰越控除、清算所得との相殺、あるいはM&Aを通じた欠損金の活用など、適切な手段を講じることで、税負担を軽減しながら円滑に清算手続きを進めることが可能です。
清算を考慮している場合には、税理士などの専門家に相談し、最適な対応策を検討することをお勧めします。




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