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子供・孫名義の通帳は危険?税務署に指摘される「名義預金」の判定基準と正しい生前贈与の方法




子供・孫名義の通帳は危険?税務署に指摘される「名義預金」の判定基準と正しい生前贈与の方法





「将来のために、子供や孫の名義でコツコツ貯金をしている」
「毎年110万円以下なら贈与税はかからないと聞いたから、通帳を作って入金している」

素晴らしいご家族への愛情ですが、実はその行為、税務調査で最も狙われやすいポイントだということをご存知でしょうか?

自分では「贈与したつもり」でも、税務署から「名義預金」と認定されると、それは子供の財産ではなく「亡くなった方(親・祖父母)の財産」として扱われ、多額の相続税がかかってしまうことがあります。

この記事では、税務署がどのような基準で「名義預金」を判定するのか、そして将来トラブルにならないための「正しい生前贈与の方法」について、専門家の視点で解説します。

「名義預金」とは?なぜ税務署にバレるのか

名義預金とは、「口座の名義は子供や孫だが、実質的な所有者は親や祖父母(被相続人)である預金」のことを指します。

税金の世界では、「形式(名義)」ではなく「実質(誰が管理・支配しているか)」が重視されます。たとえ通帳の名義が子供であっても、以下のような状態であれば、それは親の財産(=名義預金)とみなされます。

よくある名義預金のパターン

  • 子供に内緒で作った秘密の口座
  • 通帳も印鑑も親が金庫で保管している
  • 子供が成人・結婚しても通帳を渡していない

なぜ税務署にバレるのか?

「タンス預金や家族名義の通帳ならバレないだろう」と考えるのは危険です。

税務署は職権で、被相続人(亡くなった方)だけでなく、家族全員の過去10年分(場合によってはそれ以上)の銀行取引履歴を照会する権限を持っています。
「親の口座から出金された形跡があるのに、生活費としては額が大きい」「同日に子供の口座に入金されている」といったお金の流れは、プロの目から見ればすぐに分かります。

税務調査での5つの判定基準チェックリスト

では、税務署はどこを見て「これは名義預金だ」と判断するのでしょうか?主な判定基準は以下の5つです。ご自身の状況と照らし合わせてみてください。

チェック項目 税務署が見るポイント(NG例)
① 原資 お金を出したのは誰か?
子供自身の収入ではなく、親のお金が入金されているだけではないか。
② 管理運用 通帳・印鑑・カードを持っているのは誰か?
親が保管しており、子供が自由に使えない状態ではないか。
③ 届出印 どの印鑑を使っているか?
親の銀行印と同じものが使われていないか。
④ 使用実績 利益(利息)を誰が享受しているか?
一度も引き出された形跡がない、または引き出したお金を親が使っていないか。
⑤ 認識 もらった認識はあるか?
そもそも子供が「自分名義の口座があること」を知っているか。

※これらを総合的に勘案して判定されます。一つ当てはまるからといって直ちに名義預金になるわけではありませんが、リスクは高まります。

「名義預金」と認定された場合のリスク

もし税務調査で名義預金と認定されると、以下のようなデメリットが発生します。

  • 1

    相続税の課税対象が増える
    「子供にあげたはずの500万円」が親の財産に戻され、相続税が計算されます。これにより、基礎控除を超えて相続税が発生したり、税率が上がったりすることがあります。
  • 2

    ペナルティ(加算税・延滞税)がかかる
    申告していなかった分に対し、過少申告加算税(原則10%)や延滞税がかかります。悪質(隠蔽)とみなされれば、重加算税(最大40%)という重い罰則が科されることもあります。
  • 3

    遺産分割トラブルの原因になる
    名義預金が「親の財産」と認定されると、それは兄弟全員で分けるべき遺産となります。「あの子だけもらっていてズルい」といった争いに発展しかねません。

これで安心!正しい生前贈与の5つのステップ

名義預金とみなされず、確実に子供や孫に財産を移転するための「正しい生前贈与」の方法をご紹介します。

ステップ1:贈与契約書を作成する

民法上、贈与は「あげます」「もらいます」という双方の合意がないと成立しません。口約束ではなく、毎回(または数年に一度)、日付・金額・署名捺印のある契約書を作成し、証拠を残しましょう。

ステップ2:銀行振込で行う

現金の受け渡しや、親がATMで入金する方法は避けましょう。親の通帳から子供の通帳へ「振込」をすることで、お金の移動履歴が客観的に証明できます。

ステップ3:通帳と印鑑を子供に渡す

これが最も重要です。通帳・キャッシュカード・届出印は、名義人(子供・孫)本人が管理できるように手渡してください。子供が未成年の場合は親権者が管理しますが、成人したら速やかに引き渡しましょう。

ステップ4:届出印を変更する

子供の通帳の届出印が親と同じ場合、実質的な管理者は親だと疑われやすくなります。子供自身の印鑑に変更することをお勧めします。

ステップ5:あえて贈与税の申告をする

年110万円を少し超える金額(例:111万円)を贈与し、子供が少額の贈与税(例:1,000円)を申告・納税することで、「税務署に対して贈与の事実を宣言し、認めてもらう」というテクニックもあります。
※納税の控えは強力な証拠になります。

まとめ:不安な通帳がある場合は早めの対策を

「過去に作った通帳、ずっと私が持っているわ……」という場合でも、今から対策をとれば間に合う可能性があります。
例えば、今すぐ通帳を子供に渡し、過去の分も含めて贈与契約書を巻き直す、あるいは一度親の口座に戻してから改めて贈与し直すなど、状況に応じたリカバリー方法があります。

自己判断で動くと、かえって贈与税の問題を複雑にしてしまうこともあります。相続税対策や生前贈与については、ぜひ一度専門家にご相談ください。



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