金融機関がいま注目している中小企業の「経営の透明性」。それは、健全な経営努力を継続し、その結果を表している自社の財務データを定期的に開示することです。金融機関と中小企業との共通言語である「決算書」を開示して、金融機関と積極的にコミュニケーションをとりましょう。
金融機関とのコミュニケーションにおい て、もう1つ重要なのは、その頻度です。「融資のときだけ金融機関に相談している」という方も多いかもしれませんが、金融機関に自社の強みや長所を知ってもらうためにも、積極的、かつ定期的に自社の情報を提供・報告しましょう。自社を客観的な視点で見てくれる 金融機関との対話を通じて、事業上のアイデアや気づきが得られることもあるからです
金融機関への定期的な報告手段としては、試算表が挙げられます。令和5年2月、金融機関を対象に行われたアンケート(実施:㈱TKC 、回答金融機関:281) によれば、試算表の提供を希望している金融機関は100% でした。また、その試算表の提供頻度については、「月次」が70% 、「四半期ごと」が28%、「半期ごと」が2%と、毎月の試算表提供を望む金融機関が多いことがわかります。
中には、「業績が最近良くないので、あま り金融機関に知られたくない」という方もおられるかもしれません。けれども業績の良し悪しにかかわらず、経営に関するデータを企業自ら開示することは、融資の必要性等をいち早く金融機関に伝えることにもつながります。そのため、まずは四半期から試算表を提供することを目指しましょう。