土地・建物、上場株式等の有価証券、現金などを生前に子や孫に贈与することが相続税対策として多く実行されています。
ところが贈与者が亡くなったあとの相続税の税務調査においてその贈与が認められず、相続税の課税対象とされることがあります。
そのようなことにならないよう贈与の注意点をまとめてみました。
贈与者の意思だけで贈与は成立しない
贈与は「ただでものをあげること」というのが私たちの常識です。ところが、民法上は、「贈与の当事者同士が贈与契約を交わすこと」をいいます。つまり、一方が自分の財産を相手方に「ただであげる」(片務)、相手方が「はい、いただきましょう」(諾成)と言って、はじめて贈与が成立します。
贈与について当事者のどちらかが知らないといったことはあり得ません。仮に、亡くなったお父さんが子の名義で毎年100万円預金していたとしても、相続税の調査時に「あなたはお父さんから毎年100万円贈与を受けていたのですか?」と子が聞かれて、「いいえ、そんな話は聞いていませんでした」と言えば、贈与契約は成立していないことになります。そうすると、その預金は「お父さんのもの」ですから、相続財産に含めて申告しなければならないことになります。
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