「生前贈与を活用したいのですが、どのように行えばよいですか?」という質問があります。
生前贈与は、後継者への財産移転の方法のうち、オ-ナ-経営者の生前に権利 が確定されるため最も確実な方法であり、暦年課税制度と相続時精算課税制度 の2つの方法があります。
暦年課税制度と相続時精算課税制度の概要は次のとおりです。家族構成や財産構成によって、どちらが事業承 継にとって有利であるか判断してください。その際には、遺留分の問題に十分注意してください。
区分 | 暦年課税制度 | 相続時精算課税制度 |
概要 | 暦年(1月1日から12月31日までの1年間)毎にその年中に贈与された価額の合計に対して贈与税を課税する制度 | 将来相続関係に入る親から子への贈与について、選択制により、贈与時に軽減された贈与税を納付し、相続時に相続税で精算する課税制度 |
贈与者 | 制限なし | 65歳以上の親(父・母ごとに選択可) |
受贈者 | 制限なし | 20歳以上の子(兄弟姉妹ごとに選択可) |
選択の届出 | 不要 | 必要(一度選択すると相続時まで継続適用) |
控除 | 基礎控除額(毎年):110万円 | 特別控除額:2,500万円 (複数年にわたり使用可) |
税率 | 基礎控除額を超えた部分に対して 10%から50%の累進税率 |
特別控除額を超えた部分に対して 一律20%の税率 |
適用手続 | 贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与税の申告書を提出し、納税 | 選択を開始した年の翌年3月15日までに、本制度を選択する旨の届出書を提出 |
相続時精算 | 相続税とは切り離して計算 (ただし、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算される。) |
相続税の計算時に精算(合算)される。 (贈与財産は贈与時の時価で評価される。) |
この会社、誰に継がせようか? と思ったら…
円滑な事業承継のためには、後継者問題や財務・相続対策、法人化など様々な準備に早く取り組むことが必要です。