弁護士や税理士などに報酬・料金を支払うときは、所得税および復興特別所得税を源泉徴収しなければなりません。
弁護士や税理士などの業務に関する報酬・料金は、源泉徴収の対象となります。
謝金、調査費、日当、旅費などの名目で支払われるものも源泉徴収の対象となる報酬・料金に含まれます。
ただし、支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う交通費、宿泊費等で、その金額が通常必要な範囲内のものであるときは、源泉徴収の対象となる報酬・料金に含めなくてもよいことになっています。
なお、弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかなものについては、源泉徴収をする必要はありません。
また、報酬・料金の額の中に消費税および地方消費税の額(以下、「消費税等の額」といいます。)が含まれている場合は、原則として、消費税等の額を含めた金額を源泉徴収の対象としますが、請求書等において、報酬・料金の額と消費税等の額が明確に区分されている場合には、その報酬・料金の額のみを源泉徴収の対象とする金額として差し支えありません(注)。
(注)令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除制度において適格請求書等保存方式(いわゆる「インボイス制度」)が開始された後も、上記の取扱いは変更ありません。
弁護士や税理士等に支払った報酬・料金から源泉徴収した所得税および復興特別所得税は、原則として、支払った月の翌月の10日までに納めなければなりません。
ただし、支払者が納期の特例の適用を受けている場合には、1月から6月までの間に支払った報酬・料金に対して源泉徴収した所得税および復興特別所得税の納付期限は7月10日、7月から12月までの間に支払った報酬・料金に対して源泉徴収した所得税および復興特別所得税の納付期限は翌年1月20日となります。
源泉徴収すべき所得税額および復興特別所得税の額は支払金額(源泉徴収の対象となる金額)により次のようになります。
支払金額(=A) | 税額 |
---|---|
100万円以下 | A×10.21% |
100万円超 | (A-100万円)×20.42%+102,100円 |
<150万円の弁護士報酬を支払う場合>
(150万円 – 100万円)× 20.42% + 102,100円 = 204,200円
源泉徴収すべき所得税および復興特別所得税の額は204,200円になります。