令和4年10月からの社会保険の適用拡大は政府の社会保障の支出の増加に伴い、1人でも多くの人に加入してもらうことが立法趣旨です。また、次代の日本を担っていく子ども・子育ての手当を厚くするため、その拠出金の財源としても欠かせません。さらに、コロナ禍で雇用調整助成金の支出が激増し雇用保険料の年2回という異例の引き上げが行われます。
企業が福利厚生のために支払う費用のうち、法律で義務付けられているものを法定福利費といいます。具体的には社会保険料・労働保険料の事業主負担分のことで、下記6種類が該当します。
(1)健康保険料
(2)介護保険料
(3)厚生年金保険料
(4)子ども・子育て拠出金
(5)雇用保険料
(6)労災保険料
令和4年9月20日時点での各種保険料率は下表を参照してください。
子ども・子育て拠出金と労災保険料は事業主だけの負担となります。健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料 は従業員も事業主と同額を負担します。雇用保険料は、雇用安定事業・能力開発事業のための保険料が事業主のみの負担となっているため、従業員負担分は賃金総額の0.3%または0.4%です
このうち、健康保険料と介護保険料については、地域、加入している健康保険組合などによって料率が異なります。健康保険料・厚生年金保険料の支払額は、標準報酬月額によって等級分けされており、各等級には1〜6万円ほどの幅があります。子ども・子育て拠出金は標準報酬月額に拠出金率を乗じて、雇用保険料・労災保険料はそれぞれ賃金総額(基本給と諸手当を合わせ た額)に各保険料率を乗じて決定されます。
社会保険料 | 健康保険料 | 標準報酬月額の4.915%(協会けんぽ、滋賀県の場合) |
介護保険料 | 標準報酬月額の0.82%(協会けんぽの場合、全国一律) | |
厚生年金保険料 | 標準報酬月額の9.15% | |
子ども・子育て拠出金 | 標準報酬月額の0.36% | |
労働保険料 | 雇用保険料 | 賃金総額の0.65%~1.05%(令和4年10月からは0.85%~1.05%) |
労災保険料 | 賃金総額の0.25%~8.8% 料率は、「事業の種類」のよって異なります。 |