令和4年度税制改正についてまとめました。今回の改正は、成長と分配の好循環の実現が目標となっています。
コロナ後の新しい社会を見据え、税理士の業務環境や納税環境の電子化といった、税理士を取り巻く状況の変化に的確に対応するとともに、多様な人材の確保や、国民・納税者の税理士に対する信頼と納税者利便の向上を図る観点から、主に次の見直しを行います。
・業務を行う場所・形態にとらわれない働き方を促進するため、外部に対する表示により税理士業務の本拠(税理士事務所)が明確にされていれば、その業務を行う場所が複数あったとしても税理士事務所の複数設置を禁止する規定に抵触しない取扱いとします。
・税理士試験の受験資格を緩和します。
・税理士が懲戒処分を受ける前に自主廃業することにより懲戒処分を回避する、いわゆる「懲戒逃れ」を抑止するため、在職期間内に税理士法違反行為を行った元税理士に対して、財務大臣が「懲戒処分を受けるべきであったことについて決定」をすることができることとし、その決定を受けた者に対して、懲戒処分に準じた措置(一定期間の再登録不可、官報公告)を講じます(令和5年4月1日以後にした違反行為について適用)。
所得税及び法人税の税務調査において、証拠書類を提示せずに簿外経費を主張する納税者などへの対応策として、必要経費不算入・損金不算入の措置を講じます。
記帳水準の向上に資する観点から、記帳義務の適正な履行を担保するため、帳簿の不保存や記載不備を未然に抑止するため、過少申告加算税・無申告加算税の加重措置を講じます。