【相続コラム】遺言書の有無を確認する方法|相続発生後の公的検索制度について
相続が発生した際、相続人が遺言の存在を認識していないケースは少なくありません。しかし、遺言の有無を確認せずに手続きを進めることには大きなリスクが伴います。
⚠️ 遺言書を確認しない際のリスク
遺言がないものと誤認して遺産分割協議を成立させた後に遺言が見つかると、内容によっては分割協議が覆り、親族間の紛争に発展する可能性があります。遺言を作成した方は生前に家族へ伝えておくことが望ましいですが、知らされていない場合は、協議前に必ず有無を確認しましょう。
相続発生後に利用できる公的な検索方法
自筆証書遺言(自宅保管のもの)については、金庫や仏壇など心当たりを探すしかありませんが、公的機関が関与している遺言については以下の検索制度が利用可能です。
1. 公正証書遺言の検索
平成元年以降に作成された公正証書遺言は、全国の公証役場で「遺言公正証書の有無」および「保管先」を無料で検索できます。
- 対象: 平成元年以降に作成されたもの
- 請求できる人: 相続人等の利害関係人のみ(秘密保持のため)
- 必要書類: 遺言者の死亡証明、相続関係を証明する戸籍謄本、本人確認書類など
- 判明後: 遺言の存在がわかれば、該当する公証役場へ謄本の請求を行い、遺言執行の手続きへ進めます。
2. 自筆証書遺言書保管制度(法務局)
法務局に遺言書を預けている場合、「遺言書保管事実証明書」を請求することで、保管の有無を確認できます。
- 利点: 裁判所による「検認手続き」が不要となり、円滑に遺言内容を実現できます。
- 対象: 相続人だけでなく、遺言者が登録した受遺者等も検索可能です。
- 注意点: 証明書の取得申請を行うと、他の相続人等へ遺言書が保管されている旨が通知されます。
3. 秘密証書遺言の検索
秘密証書遺言についても、平成元年以降のものであれば公証役場で検索が可能です。
- 注意: 公証役場に「原本」が保管されているわけではありません。作成履歴があっても、遺言書現物が見つからなければ内容を実現できません。
- 手続き: 遺言書を発見した場合は、開封前に必ず家庭裁判所での「検認」が必要です。
当事務所からのアドバイス
相続手続きをスムーズに進めるためには、正確な現状把握が第一歩です。遺言の有無の調査や、戸籍の収集、遺産分割協議書の作成など、相続に関するお困りごとは当事務所までお気軽にご相談ください。
事務所通信を参照して作成。
