令和8年度税制改正のポイント
少額減価償却資産の特例の見直し
令和8年度税制改正により、「中小企業者等の少額減価償却資産の損金算入の特例」が見直され、
対象となる資産の取得価額が 30万円未満から40万円未満 に引き上げられる予定です。
近年は設備価格の上昇や供給状況の変化などもあり、中小企業の設備投資環境を踏まえた制度改正となっています。
設備投資を検討する際には、税務上の取り扱いを理解したうえで計画的に導入することが重要です。
1 令和8年4月1日以後に取得する少額減価償却資産の取り扱い
令和8年4月1日以後に取得する資産について、中小企業者等の場合の税務処理は次のように整理されます。
| 取得価額 | 税務上の取り扱い |
|---|---|
| 10万円未満 | 「消耗品費」等として購入した事業年度に全額費用計上が可能 |
| 10万円以上20万円未満 | 「一括償却資産」として3年間で均等償却 |
| 40万円未満 | 中小企業者等の場合、年間300万円までその期に全額損金算入可能 |
| 40万円以上 | 固定資産として計上し、法定耐用年数に基づき減価償却 |
今回の改正により、即時費用化できる対象資産の上限が引き上げられるため、
設備投資のタイミングや資産の取得方法を検討する際の重要な判断材料となります。
2 設備投資関連税制の見直し(中小企業向け)
今回の税制改正では、少額減価償却資産の特例だけでなく、
中小企業の設備投資を対象とした各種税制でも取得価額要件の見直しが行われています。
(1)中小企業経営強化税制
工具・器具備品の取得価額要件が
30万円以上 → 40万円以上 に引き上げられます。
(2)中小企業投資促進税制
工具の取得価額要件について、
- 1台または1基の取得価額:40万円以上
- 取得価額の合計:120万円以上
とされる予定です。
(3)中小企業防災・減災投資促進税制
特定事業継続力強化設備等に係る制度において、
器具備品の取得価額要件が
30万円以上 → 40万円以上 に引き上げられます。
3 税理士からの実務アドバイス
今回の改正は、物価上昇や設備価格の高騰を踏まえた制度調整といえます。
中小企業にとっては、設備投資の税務メリットを活用できる範囲が広がる可能性があります。
設備導入を検討する際には次の点を確認することが重要です。
- 取得価額が税制の適用要件に該当するか
- 年間300万円の限度額に注意すること
- 即時償却と通常償却のどちらが有利か
- 他の設備投資税制との併用可否
設備投資のタイミングや税務処理によって、当期の利益や税負担に大きな影響が生じる場合があります。
導入を検討されている場合は、事前に税理士へご相談ください。
参考
令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)







