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短期間に二次相続が発生する場合の税額軽減策:按分割合調整の活用



短期間に二次相続が発生する場合の税額軽減策|按分割合調整の活用


両親がともに高齢である場合、父の相続(一次相続)から数年を経たずして母の相続(二次相続)が相次いで発生するケースは珍しくありません。このような状況では、一次相続時点での「按分割合」を戦略的に調整することで、家系全体の納税額を大幅に軽減できる可能性があります。

本記事では、按分割合の調整が二次相続にどのような効果をもたらすのか、設例を交えて解説します。

1. 相続税の「按分割合」とは

相続税の計算プロセスでは、まず「相続税の総額」を算出します。その総額を、各相続人が実際に取得した財産の比率に応じて割り振ります。この割り振る際の比率を「按分割合」と呼びます。

【按分割合の算出式】
各相続人等の相続税額 = 相続税の総額 × (各相続人の課税価格 ÷ 課税価格の合計額)

通常、この按分割合には小数点以下の端数が生じますが、相続人全員の合意があれば、端数処理(切り上げ・切り捨て)を行い、合計が「1」になるよう調整して申告することが可能です。

2. 按分割合調整による税額軽減の仕組み

一次相続において、あえて「配偶者(母)」の按分割合を切り上げ、子供の割合を切り捨てる調整を行うことがあります。これには以下の狙いがあります。

  • 配偶者の税額軽減の最大活用: 配偶者は法定相続分または1億6,000万円まで相続税がかかりません。母に税額を寄せることで、一次相続時点のキャッシュアウトを抑えられます。
  • 相次相続控除の適用: 短期間(10年以内)に相次いで相続が発生した場合、二次相続の際に「一次相続で支払った相続税額」のうち一定額を控除できる制度があります。母に多く納税分を割り振っておくことで、この控除枠を有効活用できます。

3. 設例によるシミュレーション

以下の条件で、按分割合の調整方法による税負担の差を比較します。

【設例】

  • 被相続人:父(令和7年3月死亡)
  • 遺産総額:5億4,000万円 / 相続税の総額:1億7,010万円
  • 相続人:母、長男、長女
  • 前提条件:母固有の財産を1億円とし、二次相続が1年以内に発生した場合

一次相続における按分割合の調整

相続人 ケース1:調整なし ケース2:四捨五入 ケース3:母に寄せる調整
0.314814… 0.31 0.33
長男 0.518518… 0.52 0.51
長女 0.166666… 0.17 0.16

二次相続(母の相続)における税額比較

一次相続から1年以内に二次相続が発生した場合、ケース3(母に寄せた調整)では相次相続控除が大きく機能します。

項目 ケース1(調整なし) ケース3(調整あり)
母の課税価格 13,500万円 13,371万円
算出税額(子合計) 5,720万円 5,358万円
相次相続控除額 なし △129万円
最終的な納税額 5,720万円 5,358万円

※ケース2は端数処理により切り捨てられた部分に係る配偶者の税額軽減が受けられないため、一次相続時点での税負担が最も重くなります。

4. 実務上の留意点と「合理性」の判断

按分割合の調整は節税策として有効ですが、以下の点に注意が必要です。

相続人全員の合意

端数調整を行うには、相続人全員がその方法を選択し、合意している必要があります。遺産分割協議の段階から検討しておくことが重要です。

「合理性」の欠如による否認リスク

過去の裁決事例(平成13年9月25日)では、相続人ごとに切り上げ・切り捨ての基準が異なるなど、あまりに極端で意図的な調整を行ったケースにおいて、「合理性があるものとは認められない」として否認されたことがあります。

「単なる端数処理」の範囲を超えた調整は、税務当局から租税回避とみなされる恐れがあるため、客観的に説明可能な範囲内での調整に留めるべきです。

当事務所のサポート

短期間の相次相続が予想される場合、一次相続の申告内容が数年後の二次相続の税負担を大きく左右します。当事務所では、二次相続までを見据えたシミュレーションを行い、最適な申告案をご提案いたします。ぜひお早めにご相談ください。

免責事項: 本記事の内容は一般的な解説であり、実際の相続税申告にあたっては、個別の状況に基づき税理士等の専門家へご相談ください。


事務所通信を参照して作成。

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