同居する長男に自宅を遺す方法と「遺留分」の注意点 - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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同居する長男に自宅を遺す方法と「遺留分」の注意点



同居する長男に自宅を遺す方法と「遺留分」の注意点


将来の相続において「同居している長男に自宅を引き継がせたいが、他の兄弟とのバランスをどう取ればよいか」というご相談を多くいただきます。本記事では、特定の相続人に不動産を遺すための法律上の決まりと注意点を整理します。

【事例の前提条件】

  • 相続人:長男、長女の計2名
  • 財産内訳:自宅(土地・建物)1億2,000万円、金融資産3,000万円
  • 被相続人の希望:同居する長男に自宅を、長女に金融資産を相続させたい

1. 法定相続分と遺産分割の現実

法律では、遺産を分ける際の目安として「法定相続分」が定められています。今回のケースでは、お子様2名が相続人となるため、各自の相続分は平等に「2分の1」ずつとなります。

しかし、遺産総額1億5,000万円のうち自宅が約8割を占める場合、法定相続分通りに分けると長男が自宅すべてを単独で相続することはできません。

【参考】相続人別の法定相続分一覧
相続人の構成 法定相続分の割合
配偶者と子 配偶者 1/2 / 子 1/2
配偶者と直系尊属(父母・祖父母) 配偶者 2/3 / 直系尊属 1/3
配偶者と兄弟姉妹 配偶者 3/4 / 兄弟姉妹 1/4
配偶者のみ 配偶者がすべて相続

2. 遺言による「指定相続分」の活用

被相続人は、遺言書を作成することで、法定相続分とは異なる相続分を指定することが可能です。これにより、「自宅は長男、金融資産は長女」といった特定の財産指定も可能になり、希望を実現する有力な手段となります。

3. 避けて通れない「遺留分」の壁

遺言書があっても、他の相続人の最低限の権利を奪うことはできません。これを「遺留分(いりゅうぶん)」と呼びます。

遺留分の算定基準

子供が相続人の場合、本来の法定相続分の2分の1が遺留分となります。今回の事例では、遺産総額の4分の1(約3,750万円)が長女の遺留分権利として認められます [cite: 22]。

遺留分額 = (死亡時の財産 + 贈与財産 - 相続債務) × 遺留分率

※遺留分率は、相続人が直系尊属のみの場合は1/3、それ以外の場合は1/2です。また、兄弟姉妹に遺留分はありません。

結論:円満な相続を実現するための3箇条

希望通りに長男へ自宅を遺すためには、単に遺言を書くだけでなく、以下の準備が不可欠です。

  • 家族間での事前合意: 長女に自身の想いを伝え、将来の分割案に納得してもらう。
  • 遺留分への配慮: 長女の遺留分(約3,750万円)に対し、金融資産(3,000万円)では約750万円不足します。この不足分を長男が支払えるよう準備しておく必要があります。
  • 公正証書遺言の作成: 紛争を未然に防ぐため、法的信頼性の高い遺言書を残す。

※掲載内容は2026年1月現在の法令に基づいています。具体的な相続手続きについては専門家にご相談ください。


事務所通信を参照して作成。

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