金利上昇時代の金融機関との上手な付き合い方|中小企業が今から準備すべきこと - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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金利上昇時代の金融機関との上手な付き合い方|中小企業が今から準備すべきこと

これまで長く続いてきた超低金利の時代が変わり、企業の資金調達環境にも変化が出てきています。
借入金利が上がれば、同じ金額を借りても支払利息は増加し、資金繰りや利益に影響します。

そのため、これからの中小企業経営では、金融機関との関係づくりがこれまで以上に重要になります。
いざ資金が必要になったときに慌てるのではなく、日頃から自社の数字を把握し、
金融機関に適切な情報を開示しておくことが大切です。

この記事では、金利上昇局面で中小企業が金融機関と上手に付き合うためのポイントを、
税理士事務所の視点からわかりやすく解説します。

1.金利上昇は中小企業の資金繰りに直結します

借入金利が上がると、毎月または毎年の支払利息が増えます。
たとえば、同じ5,000万円の借入であっても、金利が0.8%程度から1.5%程度へ上昇すれば、
年間の利息負担は大きく変わります。

金利負担が増えると、利益が圧迫されるだけでなく、
設備投資、人件費、仕入資金、納税資金などに使える資金も減ります。
特に、借入依存度が高い企業や、変動金利で借入をしている企業は注意が必要です。

2.まずは毎月の経営状況を「数字」で把握しましょう

金融機関との関係づくりの第一歩は、自社の経営状況を正確に把握することです。
「なんとなく売上はある」「資金繰りは何とか回っている」という感覚だけでは、
金利上昇局面では対応が遅れるおそれがあります。

毎月、次のような項目を確認しましょう。

  • 売上高は前年同月や計画と比べてどうか
  • 粗利益率や限界利益率は下がっていないか
  • 損益分岐点売上高はいくらか
  • 売掛金の回収は遅れていないか
  • 在庫が増えすぎていないか
  • 仕入・外注費・人件費・固定費が増えていないか
  • 借入金残高と毎月の返済額は適正か
  • 今後6か月から1年の資金繰りに問題はないか

月次試算表を作成し、毎月の数字を確認することで、
売上減少、原価上昇、資金繰り悪化といった兆候に早く気づくことができます。

3.異変に気づいたら早めに対応することが重要です

毎月の数字を見ていると、少しずつ異変が見えてくることがあります。
たとえば、売上は横ばいでも粗利益率が下がっている、
売掛金の回収が遅れている、在庫が増えて資金が寝ている、
支払利息が増えて利益を圧迫しているといった変化です。

こうした変化に気づいたときは、「もう少し様子を見よう」と先送りせず、
早めに原因を確認することが大切です。
原価上昇であれば価格改定や仕入先の見直し、
資金繰り悪化であれば返済条件や運転資金の確保、
売上減少であれば営業施策や固定費の見直しが必要になります。

4.金融機関には決算書だけでなく、途中経過も伝えましょう

融資を受けている企業は、年に1度、決算書を金融機関へ提出することが一般的です。
しかし、金融機関が決算書だけで企業の最新状況を把握するのは簡単ではありません。

経営環境は日々変化しています。
そのため、四半期ごと、できれば毎月、試算表や資金繰り表を金融機関へ提出し、
自社の業績や資金状況を共有しておくことが重要です。

金融機関は、融資した資金が事業に適切に使われ、
今後も返済が継続できるかを重視します。
定期的に数字を開示している企業は、金融機関から見ても状況が分かりやすく、
相談や支援につながりやすくなります。

5.経営計画書を作成し、将来の資金需要を共有しましょう

金融機関との関係づくりでは、過去の決算書や現在の試算表だけでなく、
今後の見通しを示すことも重要です。

経営計画書には、次のような内容を盛り込みましょう。

  • 今後の売上・利益計画
  • 設備投資や人員計画
  • 資金繰りの見通し
  • 借入金の返済計画
  • 原価高・人件費上昇・金利上昇への対応策
  • 社長が考えている今後の事業方針

将来的に設備投資や運転資金の調達が必要になりそうな場合は、
早い段階で金融機関に共有しておくことが大切です。
「急に資金が必要になったから貸してください」ではなく、
事前に計画を伝えておくことで、金融機関も検討しやすくなります。

6.金利交渉よりも大切なのは「信頼構築」です

金利上昇局面では、単に「金利を下げてほしい」と交渉しても、金融機関が応じにくい場面があります。
しかし、毎月の数字や経営計画をもとに、
「この会社は将来性がある」
「返済能力を継続的に確認できる」
「経営改善に取り組んでいる」
と理解してもらえれば、条件面の相談もしやすくなります。

たとえば、金利の引き上げを完全に避けることは難しくても、
他社より有利な条件で据え置いてもらう、
上げ幅を抑えてもらう、
追加融資の際に前向きに検討してもらう、
といった可能性はあります。

そのために必要なのが、交渉の武器としての数字です。
月次決算、資金繰り表、経営計画書を整えておくことで、
社長の説明が「お願い」ではなく「根拠ある相談」になります。

7.月次決算が金融機関との信頼関係を強くします

金融機関との関係づくりで重要なのは、会社の経営状況をタイムリーに説明できることです。
そのためには、毎月の会計処理を早く正確に行い、月次決算を整える必要があります。

月次決算では、売上や利益だけでなく、貸借対照表や資金繰りも確認します。
これにより、借入金の返済余力、手元資金、在庫や売掛金の状況を把握できます。

税理士事務所による巡回監査や月次チェックを受けることで、
試算表の信頼性が高まり、金融機関に提出する資料としても活用しやすくなります。

8.TKCシステムと記帳適時性証明書の活用

当事務所では、TKCの会計システムを活用した月次決算・巡回監査を通じて、
金融機関に説明しやすい会計資料の整備を支援しています。

TKCの記帳適時性証明書は、会計帳簿が適時に作成され、
決算書がその会計帳簿と一致していることなどを確認できる資料です。
TKCは、記帳適時性証明書について、発行日や発行番号から証明書の真正性を確認できる仕組みを案内しています。

金融機関にとって、決算書や試算表が信頼できる資料であるかどうかは重要です。
毎月の巡回監査、月次決算、TKCシステムによる会計帳簿の整備、
記帳適時性証明書の活用は、金融機関との信頼関係を高める材料になります。

9.金融機関との「顔の見える関係」を築きましょう

金融機関との付き合いは、資金が必要になったときだけ連絡するものではありません。
平時から試算表、資金繰り表、経営計画書を共有し、
会社の状況や課題を伝えておくことが大切です。

たとえば、売上が一時的に落ちている場合でも、
その原因と改善策を説明できれば、金融機関の受け止め方は変わります。
反対に、情報開示が少ない企業は、金融機関から見ると状況が分かりにくく、
追加融資や条件変更の相談がしづらくなることがあります。

「会社の状況をきちんと説明できる企業」であることが、
金利上昇時代の資金調達力につながります。

10.信用保証制度や公的支援策も確認しましょう

中小企業の資金調達では、信用保証協会の保証制度や中小企業庁の支援策も重要です。
物価高、人手不足、原材料高などの影響を受ける企業向けに、
時限的な保証制度や保証料補助が設けられることがあります。

たとえば、令和8年3月から開始された
モニタリング強化型特別保証制度は、
月次で財務状況や資金繰り状況等を把握し、
金融機関や信用保証協会へ経営状況等を報告することで、
早期に経営状況の変化を把握し、支援につなげることを目的とした制度です。

この制度では、認定経営革新等支援機関との連携が重要な要件となっています。
保証料の一部補助などのメリットが設けられる制度もあるため、
月次決算を行い、認定支援機関と連携できる体制を整えておくことが大切です。

公的支援策は、対象要件・取扱期間・保証限度額・保証料補助の内容が制度ごとに異なります。
利用を検討する際は、最新情報を確認し、金融機関や認定支援機関へ早めに相談しましょう。

11.当事務所は認定経営革新等支援機関です

当事務所は、国から認定を受けた
認定経営革新等支援機関です。
認定経営革新等支援機関とは、税務・金融・企業財務に関する専門的知識や支援実務経験について、
一定の水準を満たすものとして認定された支援機関です。

認定支援機関が関与することで、経営改善計画の策定支援、
資金繰り改善、金融機関への説明資料づくり、
一部の信用保証制度や補助金申請における支援などにつながる場合があります。

たとえば、中小企業庁の経営改善計画策定支援事業では、
計画策定支援費用や伴走支援費用について補助の対象となる枠が設けられています。
また、制度によっては認定支援機関との連携が保証料補助や金融支援を受ける前提になることもあります。

「金融機関にどう説明すればよいか分からない」
「保証制度や補助金を使えるか知りたい」
「経営計画書を作りたい」
という場合は、認定経営革新等支援機関である当事務所へご相談ください。

12.税理士事務所ができるサポート

税理士事務所は、単に決算書や申告書を作成するだけでなく、
金融機関対応に必要な資料づくりや経営改善のサポートも行います。

  • 月次試算表の作成・確認
  • 資金繰り表の作成支援
  • 借入金返済予定表の整理
  • 経営計画書の作成支援
  • 金融機関への説明資料の作成
  • 融資相談前の事前準備
  • 信用保証制度や補助制度の確認
  • 認定経営革新等支援機関としての支援
  • TKCシステムを活用した月次決算・巡回監査
  • 記帳適時性証明書を活用した決算書の信頼性向上

金利上昇時代には、早めの数字把握と情報開示が大切です。
「資金繰りが少し不安」
「金融機関へ何を提出すればよいか分からない」
「経営計画書を作りたい」
という場合は、早めに税理士へ相談しましょう。

13.まとめ

金利上昇時代には、借入金利の上昇が利益や資金繰りに直接影響します。
そのため、中小企業は毎月の経営状況を数字で把握し、
早めに異変を見つけ、金融機関に適切な情報を開示していくことが重要です。

月次決算、試算表の提出、資金繰り表、経営計画書の作成は、
金融機関との信頼関係を築くための基本です。
単なる金利交渉ではなく、数字に基づいて将来性や返済力を説明することが、
金利上昇局面での有利な条件づくりにつながります。

当事務所では、認定経営革新等支援機関として、
月次決算、経営計画書、資金繰り表、金融機関への説明資料作成を支援しています。
金利上昇や資金繰りに不安がある方は、早めにご相談ください。

参考資料

※金融支援制度や保証制度は、取扱期間・対象要件・補助内容が変更されることがあります。公開時・更新時には最新情報をご確認ください。


事務所通信を参照して作成。

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