【経理のホンネ③】決算直前になって初めて税金の話……納税資金の準備、間に合っていますか? - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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2026年07月31日 税理士変更おやくだち

【経理のホンネ③】決算直前になって初めて税金の話……納税資金の準備、間に合っていますか?

経理担当者が「この税理士事務所、もう限界…」と思う瞬間③

決算が近づいた頃、税理士事務所から突然、
「今年はかなり利益が出ています」
「税金はこれくらいになりそうです」
と伝えられ、慌てて資金を準備していないでしょうか。

法人税、所得税、消費税などの納税額は、決算直前になって突然発生するものではありません。
毎月の売上、利益、設備投資、消費税区分などを継続して確認していれば、
早い段階からある程度の見込みを把握できます。

この記事では、決算直前まで税金の話が出ないことで起こる問題、
納税予測が遅れる主な原因、
経理担当者が税理士事務所へ確認すべきポイントを解説します。

1.「税金が多い」のではなく、「知らされるのが遅い」ことが問題です

利益が出れば、一定の税金がかかるのは当然です。
しかし、経理担当者や経営者が本当に困るのは、
税額そのものよりも、納税直前まで金額が分からないことです。

決算直前に初めて税額を知らされると、次のような問題が起こります。

  • 納税資金を十分に準備できない
  • 急いで銀行へ融資相談をすることになる
  • 予定していた設備投資や賞与を見直さざるを得ない
  • 社長から経理担当者へ説明を求められる
  • 節税策を検討する時間が残っていない
  • 資金繰り表を急いで作り直す必要がある

税金は、会社経営における大きな資金支出です。
その金額を事前に把握できていないことは、
経理上の問題だけでなく、経営管理上の問題でもあります。

2.納税予測は、決算の1〜2か月前から始めるものではありません

納税予測は、決算が近づいてから一度だけ計算すればよいものではありません。
本来は、毎月の試算表をもとに定期的に見直していくものです。

たとえば、決算まで6か月ある時点でも、
現在の利益水準と今後の売上・経費の見込みを確認すれば、
おおよその税額を把握できます。

その後、3か月前、2か月前、1か月前と予測を更新すれば、
納税額の精度は徐々に高まります。

このように段階的に確認していれば、
経営者は納税資金を計画的に残し、
必要に応じて設備投資や役員報酬、賞与なども慎重に検討できます。

3.決算直前まで税額が分からない主な原因

納税見込額の提示が遅れる原因には、
会社側と税理士事務所側の両方があります。

会社側で起こりやすい原因

  • 毎月の会計入力が遅れている
  • 売上や仕入れの計上漏れが多い
  • 在庫や棚卸の数字が把握できていない
  • 役員への貸付金や仮払金が整理されていない
  • 大きな設備投資や売却予定が共有されていない
  • 税理士事務所へ必要資料を提出していない

税理士事務所側で起こりやすい原因

  • 月次試算表の完成が遅い
  • 納税予測を決算前しか行っていない
  • 利益の増減を経営者へ説明していない
  • 消費税の納税見込みを定期的に確認していない
  • 決算対策の打合せ時期が決まっていない
  • 担当者が税額計算を税理士へ確認するまで時間がかかる

毎年、決算直前に慌てているのであれば、
単なる偶然ではなく、年間の業務スケジュールに問題がある可能性があります。

4.消費税は、利益が少なくても納税が発生します

経営者が特に誤解しやすいのが消費税です。
法人税や所得税は利益をもとに計算されますが、
消費税は原則として、預かった消費税から支払った消費税を差し引いて計算します。

そのため、利益が少ない会社や赤字の会社でも、
消費税の納税が発生することがあります。

また、設備投資、簡易課税制度、インボイス制度、
非課税売上の有無などによって納税額が大きく変わる場合があります。

「利益が出ていないから税金も少ないだろう」と考えていると、
消費税の納税時に資金不足へ陥る可能性があります。

経理担当者は、法人税等だけでなく、
消費税の見込額も分けて確認しておくことが重要です。

特に、直前の課税期間の消費税の年税額が一定額を超える事業者には、
期中に「中間申告・中間納付」が必要になります。
その回数は直前期の税額に応じて年1回・年3回・年11回となるため、
決算時だけでなく、期中にも継続して資金が流出します。
「法人税が出ないから大丈夫」と考えず、
消費税の納付時期と見込額を期首の段階から税理士と共有しておくことが理想的です。

5.税額の連絡が遅いと、節税策の選択肢も減ります

決算直前になってから税額を知らされても、
実行できる対策は限られます。

節税対策は、単に経費を増やせばよいものではありません。
会社に必要な支出か、資金繰りに無理がないか、
将来の利益に結び付くかを確認する必要があります。

早い段階で利益見込みが分かれば、次のような検討がしやすくなります。

  • 必要な設備投資の時期を検討する
  • 修繕や広告宣伝の実施時期を見直す
  • 従業員への賞与を検討する
  • 不要な在庫や固定資産を整理する
  • 各種共済制度への加入を検討する
  • 納税資金を確保したうえで支出を判断する

ただし、税金を減らすためだけに不要な支出をすれば、
会社に残るお金も減ります。

大切なのは、税額を早く把握し、
節税と資金繰りを両方考えたうえで判断することです。

6.経理担当者が社長へ説明できない状態を放置しない

納税見込額が分からないと、
経理担当者は社長から質問されても明確に答えられません。

  • 今年の税金はいくらになりそうか
  • いつまでにいくら用意すればよいか
  • 設備を買っても資金は足りるか
  • 賞与を出しても問題ないか
  • 銀行から借りる必要はあるか

こうした質問に答えられないのは、
経理担当者の能力不足とは限りません。

税理士事務所から毎月の数字や税額見込みが共有されていなければ、
経理担当者だけで正確な判断をするのは困難です。

「税理士事務所からまだ聞いていません」と繰り返す状態が続く場合は、
経理担当者と税理士事務所の情報共有方法を見直す必要があります。

7.税理士事務所へ確認したい納税予測のタイミング

納税予測をいつ行うかは、
会社の規模や業種、利益の変動によって異なります。

ただし、一般的には次のようなタイミングで確認すると安心です。

  • 毎月または四半期ごとの試算表完成時
  • 決算の6か月前
  • 決算の3か月前
  • 決算の1〜2か月前
  • 大きな設備投資や資産売却を行う前
  • 役員報酬や賞与を検討する前

毎回、円単位まで正確な税額を出す必要はありません。

「現時点では法人税等が約○万円、消費税が約○万円」
という概算でも、資金準備には十分役立ちます。

重要なのは、決算直前まで何も分からない状態を避けることです。

8.経理担当者が税理士事務所へ伝えるべき情報

税理士事務所が適切な納税予測を行うためには、
会社側から今後の予定を早めに伝える必要があります。

  • 今後の売上見込み
  • 大口の受注や失注の予定
  • 設備投資や修繕の予定
  • 不動産や車両の売却予定
  • 採用や退職の予定
  • 賞与支給の予定
  • 借入れや返済の予定
  • 多額の貸倒れや損失の可能性

帳簿に入力された過去の数字だけでは、
今後の利益や税額を正確に予測できません。

経理担当者が社内の予定を集め、
税理士事務所へ早めに共有することで、
納税予測の精度が高まります。

9.税理士事務所を見直すときのチェックポイント

決算直前まで税金の話が出ない状態が毎年続く場合は、
現在の税理士事務所の支援内容を確認してみましょう。

  • 毎月または定期的に利益の説明があるか
  • 法人税等と消費税を分けて見込額を示してくれるか
  • 決算対策の打合せ時期が決まっているか
  • 設備投資や賞与の前に相談できるか
  • 納税時期と必要資金を説明してくれるか
  • 節税だけでなく資金繰りも考えてくれるか
  • 経理担当者から直接質問できるか

申告書を期限までに作成するだけでなく、
納税額を早めに知らせ、
会社が準備できるよう支援することも税理士事務所の重要な役割です。

10.納税予測が早い会社は、経営判断も落ち着いて行えます

税額を早く把握できれば、
会社は慌てて資金を集める必要がなくなります。

経営者は、納税後に残る資金を確認したうえで、
設備投資、採用、賞与、借入返済などを判断できます。

経理担当者も、社長へ納税額と支払時期を説明しやすくなり、
資金繰り表や支払予定を早めに作成できます。

納税予測は、税金を減らすためだけのものではありません。
会社のお金を守り、安心して経営判断を行うための重要な管理資料です。

決算直前まで税額が分からず、毎年慌てていませんか?

澤田匡央税理士事務所では、
毎月の試算表をもとに利益の状況を確認し、
法人税等や消費税の納税見込額を早めにお伝えすることを重視しています。

単に税額を計算するだけでなく、
納税資金を確保できるか、
設備投資や賞与を実施しても問題がないかなど、
会社の資金繰りと合わせて検討します。

「決算直前にならないと税額を教えてもらえない」
「毎年、納税資金の準備で慌てている」
「経理担当者が社長へ税額を説明できず困っている」
という場合は、現在の月次業務と決算前の打合せ方法を見直してみませんか。

税理士変更を前提とせず、
現在の問題点や改善方法についてご相談いただけます。


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まとめ

決算直前になって初めて税額を知らされると、
納税資金の確保、設備投資、賞与、借入れなど、
会社のさまざまな判断が後手に回ります。

納税見込額は、毎月の試算表をもとに定期的に更新し、
決算までの期間に応じて精度を高めていくことが重要です。

毎年、決算直前まで税金の話がなく、
経理担当者や経営者が慌てているのであれば、
現在の税理士事務所との情報共有や納税予測の進め方を見直すサインかもしれません。

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