5月は、毎月発生する源泉所得税や住民税の納付に加え、3月決算法人の確定申告、
9月決算法人の中間申告、消費税の各種届出など、法人・個人事業者ともに確認したい手続きが重なる時期です。
特に、月次の納付は「毎月同じ」と思っているうちに見落としやすく、
決算月に応じた法人税・消費税の申告は、対象になる会社とならない会社が分かれるため、
自社がどの手続きの対象かを早めに整理しておくことが大切です。
この記事では、2026年5月に確認しておきたい主な税務手続きについて、
税理士事務所のホームページ向けにわかりやすく整理してご紹介します。
1.2026年5月に確認したい主な税務スケジュール
まずは、5月に予定される主な手続きを一覧で確認しましょう。
2026年5月11日(月)まで
- 4月分の源泉所得税・復興特別所得税の納付
- 4月分の住民税特別徴収税額の納入
2026年6月1日(月)まで
- 3月決算法人の法人税・地方法人税・法人住民税・法人事業税等の確定申告
- 3月決算法人の消費税及び地方消費税の確定申告
- 9月決算法人の法人税等の中間申告
- 9月決算法人の消費税及び地方消費税の中間申告(対象法人のみ)
- 個人事業者の消費税中間申告(対象者のみ)
- 簡易課税制度の適用開始・不適用に関する届出(5月決算法人で6月開始課税期間から適用・取りやめを行う場合)
- 自動車税種別割・軽自動車税種別割の納付(多くの自治体で原則5月31日が納期限ですが、自治体により異なり、2026年は5月31日が日曜日のため6月1日(月)が期限となる場合が多いです)
※中間申告や簡易課税制度の届出は、対象となるかどうかが事業者ごとに異なります。
前期の申告内容や税額に応じて判定されるため、不明な場合は事前に確認しておきましょう。
なお、2026年5月31日は日曜日のため、当日が法定納期限となる手続きの多くは、
翌開庁日の2026年6月1日(月)が期限となります。
2.毎月必要になる「源泉所得税」と「住民税特別徴収」の納付
役員報酬や給与を支払っている事業者は、原則として、
源泉徴収した所得税及び復興特別所得税を給与等を支払った月の翌月10日までに納付する必要があります。
そのため、4月に支払った給与分の源泉所得税は、2026年5月11日(月)が納付期限です。
また、個人住民税を給与から特別徴収している場合は、
徴収した税額を原則として翌月10日までに各市区町村へ納入します。
実務では、源泉所得税と住民税特別徴収の納期限が同じタイミングになるため、
どちらか一方だけを処理して安心してしまわないよう注意が必要です。
なお、源泉所得税については、一定の要件を満たす場合に「納期の特例」を適用できることがありますが、
その特例を受けていない場合は毎月納付が必要です。
3.自動車税・軽自動車税は自治体ごとに納期限を確認
5月は、自動車税種別割や軽自動車税種別割の納付時期でもあります。
原則として5月31日が納期限とされることが多いですが、
都道府県や市区町村の条例等により納期限が異なる場合があります。
2026年は5月31日が日曜日のため、多くの自治体で6月1日(月)が期限となります。
そのため、会社名義や個人事業用の車両を保有している場合は、
届いた納税通知書に記載された期限を必ず確認しておきましょう。
車検時には納税済みであることが前提になる場面もあるため、後回しにしないことが大切です。
4.3月決算法人は法人税等と消費税の確定申告が必要です
3月決算法人は、原則として事業年度終了日の翌日から2か月以内に、
法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税、そして消費税及び地方消費税の確定申告を行います。
2026年は、3月31日決算の2か月後にあたる5月31日が日曜日のため、
申告・納付期限は2026年6月1日(月)になります。
決算整理や税額計算に時間がかかる会社では、法人税申告に意識が向きやすい一方で、
消費税申告の確認が後回しになることがあります。
特に、インボイス制度開始後は、仕入税額控除の判定や経過措置の確認など、
消費税の検討事項も増えているため注意が必要です。
5.9月決算法人は中間申告の対象かどうかを確認しましょう
9月決算法人については、前事業年度の税額等に応じて、
5月末から6月初めにかけて法人税等や消費税の中間申告が必要になる場合があります。
消費税の中間申告は、原則として直前課税期間の確定消費税額(地方消費税額を除きます)が
48万円を超える場合に必要となり、税額に応じて年1回、年3回、年11回に区分されます。
たとえば、直前課税期間の確定消費税額が48万円超400万円以下なら年1回、
400万円超4,800万円以下なら年3回、4,800万円超なら年11回です。
そのため、「前期は消費税申告をしたが中間申告は不要だった」という会社でも、
売上増加などにより今期から対象になることがあります。
前期の申告書を見ながら、早めに確認しておくと安心です。
6.個人事業者の消費税中間申告も忘れずに
個人事業者でも、前年分の確定消費税額が一定額を超える場合には、
消費税及び地方消費税の中間申告と納付が必要です。
年11回の中間申告対象者であれば、5月末から6月初めにかけて該当月分の申告・納付が必要になることがあります。
特に、インボイス制度開始後は、免税事業者から課税事業者へ変更した方も多く、
中間申告の対象となっているかどうかの確認がより重要になっています。
法人と違って、個人事業者は「決算月」という感覚が薄いため、
所得税の確定申告が終わった後に消費税の中間申告を見落としてしまうことがあります。
消費税課税事業者の方は、年初の段階で年間スケジュールを確認しておくとよいでしょう。
7.簡易課税制度の届出は“課税期間の開始前”が基本です
消費税の簡易課税制度を適用したい場合、または適用をやめたい場合は、
原則としてその課税期間の初日の前日までに届出書を提出する必要があります。
たとえば、5月決算法人が2026年6月1日開始の課税期間から簡易課税制度を適用する、
あるいは不適用にしたい場合は、2026年5月31日(日)までに提出が必要です。
※注意:この届出は、提出期限が休日(日曜日・祝日等)に当たっても期限の延長が適用されません。
5月31日が日曜日のため、税務署の窓口提出の場合にはそれ以前の開庁日までに提出するか、
e-Taxや郵送(通信日付印で5月31日まで)を利用するなど、余裕を持った対応が必要です。
ただし、簡易課税制度の適用をやめる場合には、
適用開始後2年間は原則として不適用届出書を提出できないなどの制限があります。
「利益が出そうだから簡易課税にしたい」「今期からやめたい」と思っても、
期限後提出では間に合わないことがあるため、事前判断が重要です。
8.税務スケジュール管理で押さえたい実務ポイント
- 毎月の源泉所得税と住民税特別徴収はセットで確認する
- 決算法人の申告期限は「決算日の2か月後」を基本に把握する
- 消費税の中間申告は前期税額で対象判定する
- 簡易課税制度の届出は期限後では間に合わないことが多い(休日延長なし)
- 地方税は自治体によって納期限や取扱いが異なる場合がある
税務スケジュールの管理は、単に「期限を覚える」だけではなく、
自社がどの手続きの対象になるかを継続的に把握することが大切です。
会社の規模、売上、課税区分、前期税額などによって必要な手続きは変わります。
9.まとめ
2026年5月は、源泉所得税や住民税の月次納付に加え、
3月決算法人の確定申告、9月決算法人の中間申告、消費税の届出など、
重要な手続きが重なりやすい時期です。
期限直前になると、必要資料の不足や対象判定の漏れに気づくことも少なくありません。
「うちは関係あるのか分からない」という場合こそ、早めに確認することが大切です。
税務スケジュールの整理や、中間申告・簡易課税制度の判断でお困りの際は、
「自社が対象かどうか分からない」といった段階でも構いませんので、
お気軽に顧問税理士へご相談ください。







