中小企業の設備投資を後押しする新税制のポイント - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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中小企業の設備投資を後押しする新税制のポイント






令和8年度税制改正は、「経済あっての財政」をキーワードに、企業の“稼ぐ力”の向上や賃上げにつながる投資の促進、
物価高への対応などを軸に検討・整備が進められています。

本記事では、改正内容のうち中小企業者等の設備投資を促進する新税制として示されている
「特定生産性向上設備等投資促進税制(仮称)」の概要を、実務目線で整理します。

※本記事は「令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日 閣議決定)」および
経済産業省公表資料(令和7年12月)等の内容をもとに、要点をまとめたものです。制度名・要件は今後の法令化過程で変更となる可能性があります。

1. 制度の概要(何のための税制?)

「特定生産性向上設備等投資促進税制(仮称)」は、日本企業の生産性向上を通じて賃上げを含む好循環をつくることを目的に、
一定規模の設備投資に対して税制優遇(即時償却または税額控除)を行う枠組みとして示されています。

2. 適用の大枠(期間・流れ)

  • 確認期限:令和11年3月31日までに、経済産業大臣による投資計画の確認を受ける
  • 投資・利用開始:確認を受けた日から5年以内に設備の取得等を行い、事業の用に供して利用開始する

重要:「先に投資してから申請」ではなく、原則として“投資計画の確認 → 設備投資”の順が想定されています。
早めの計画立案がポイントになります。

3. 対象となる事業者・業種

原則として全ての業種が対象とされています(制度の詳細は今後の法令・通達等で明確化される見込みです)。

4. 対象となる資産(設備の範囲)

生産等に必要な一定の設備等が対象として示されています。

  • 機械装置
  • 器具備品
  • 工具
  • 建物
  • 構築物
  • 建物附属設備
  • ソフトウェア

5. 主な要件(投資規模・投資利益率)

  • 投資下限額:原則5億円以上(投資計画期間中の総額)

    ※中堅・大企業は35億円以上とされています。
  • 年平均の投資利益率:15%以上

実務上は、投資計画の作り込み(投資効果の根拠資料、数値の整合性)と、確認取得までのスケジュール管理が重要になります。

6. 税制優遇の内容(即時償却 or 税額控除)

  • 即時償却 または 税額控除 7%
  • ただし、建物・建物附属設備・構築物税額控除 4%
  • 控除上限:法人税額の20%

どちらが有利かは、当期の利益水準・今後の利益見通し、他の税額控除との関係、資金繰り等により異なります。
事前シミュレーションのうえで選択することをおすすめします。

7. 追加措置:繰越税額控除(3年間)の考え方

予見し難い国際経済事情の急激な変化等、事業環境の急激な変化の影響への対応に関する計画について認定を受け、
その実施状況について経済産業大臣の確認を受けた場合に、繰越税額控除(3年間)が可能とされています。

詳細要件(どのような「計画」が対象となるか、確認のタイミング等)は制度化の過程で明確化される見込みです。

8. 税理士からの実務アドバイス(検討時のチェックポイント)

  1. 投資計画の確認が“先”:設備発注・取得の前に、確認取得までの段取りを作る
  2. 投資利益率15%の根拠:売上・原価・人件費・稼働率など前提条件を説明できるようにする
  3. 即時償却 vs 税額控除:当期利益、欠損金、他の税額控除の利用状況を踏まえて比較
  4. 控除上限(法人税額20%):上限により取り切れない可能性があるため、事前試算が重要
  5. 5年以内の取得・利用開始:大型投資ほど工期・導入期間が長くなるため、スケジュール管理を徹底

9. まとめ

令和8年度税制改正では、設備投資を通じて生産性向上と賃上げにつなげるための枠組みとして
「特定生産性向上設備等投資促進税制(仮称)」が示されています。
対象となる投資規模が大きく、計画確認の手続も前提となるため、制度の公表情報を早めに確認し、
投資タイミングと税務メリットの最適化を図ることが重要です。

当事務所では、投資計画の整理、適用可否の検討、税額影響シミュレーションなど、実行段階まで含めてサポート可能です。
制度の具体化(法令化)に合わせて、適用要件や留意点も随時アップデートしていきます。


免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別具体的な税務判断を提供するものではありません。
具体的な適用可否は、投資内容・時期・利益計画等により異なります。実行前に税理士へご相談ください。


事務所通信を参照して作成。

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