令和8年度税制改正では、中小企業の事業承継や研究開発投資、賃上げを支援するための制度について見直しや延長が行われています。
本記事では、中小企業経営に影響の大きい主な改正内容を分かりやすく解説します。
1.事業承継税制(特例措置)の活用期限に注意
事業承継税制は、後継者が自社株式や事業用資産を承継する際に、一定の要件を満たすことで
相続税・贈与税の納税猶予を受けることができる制度です。
中小企業の円滑な事業承継を支援する目的で設けられています。
特例制度の主な手続き
- 特例承継計画の提出
- 事業承継(贈与または相続)
- 認定申請
- 税務署への申告
提出期限
- 法人版:令和9年9月30日まで
- 個人事業版:令和10年9月30日まで
事業承継の期限
- 法人版:令和9年12月31日まで
- 個人版:令和10年12月31日まで
特例承継計画の提出期限が近づいているため、制度利用を検討している場合は早めの準備が重要です。
2.中小企業技術基盤強化税制の拡充・延長
中小企業技術基盤強化税制は、企業が研究開発を行った場合に
試験研究費の一定割合を法人税額から控除できる制度です。
制度の概要
- 試験研究費 × 税額控除率(12%~17%)を税額控除
- 控除上限:法人税額の25%
令和8年度改正のポイント
- 税額控除率の特例措置の適用期限を3年間延長
- 延長期限:令和11年3月31日まで
新制度:繰越税額控除制度の創設
控除しきれなかった税額控除額について、
最大3年間の繰越控除が可能になります。
ただし、次の要件を満たす場合に限り適用されます。
- 試験研究費が比較試験研究費を上回っていること
- 当年度に一般試験研究費税額控除制度を適用していないこと
この改正により、研究開発投資を行う中小企業にとって
税制面での支援が強化されます。
3.賃上げ促進税制の見直し
賃上げ促進税制は、給与支給額を増加させた企業に対して
増加額の一部を税額控除できる制度です。
制度概要
- 対象:青色申告書を提出する中小企業者等
- 給与支給額の増加率に応じて税額控除
主な改正点
- 教育訓練費に係る上乗せ措置の廃止
- 全企業向け制度は令和8年3月31日で終了
- 中堅企業向け制度は見直しのうえ令和9年3月31日で終了
中小企業向け制度については引き続き活用可能ですが、
適用要件の確認が重要となります。
まとめ
令和8年度税制改正では、以下の3つが中小企業にとって重要なポイントとなります。
- 事業承継税制の特例制度の期限に注意
- 研究開発税制の延長と繰越控除制度の創設
- 賃上げ促進税制の見直し
税制改正は企業の資金計画や事業承継に大きく影響するため、
制度の適用可否については早めに専門家へ相談することをおすすめします。
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