6月は、源泉所得税・住民税の納付、4月決算法人の確定申告、
10月決算法人の中間申告、消費税の中間申告など、
法人・個人事業主の双方に関係する税務手続きが多い時期です。
特に、給与を支払っている事業者は、源泉所得税や住民税の特別徴収税額の納付漏れに注意が必要です。
また、6月は住民税の特別徴収税額決定通知書をもとに、6月給与から新年度の住民税控除が始まる時期でもあります。
この記事では、令和8年6月の主な税務手続きについて、わかりやすく整理します。
1.令和8年6月10日(水)までの手続き
5月分の源泉所得税の納付
給与や報酬を支払っている事業者は、5月中に支払った給与等から源泉徴収した所得税および復興特別所得税を、
原則として6月10日(水)までに納付します。
国税庁は、源泉徴収した所得税および復興特別所得税について、
原則として給与などを実際に支払った月の翌月10日までに納める必要があると案内しています。
5月分の住民税特別徴収税額の納付
従業員の給与から住民税を特別徴収している事業者は、
5月分の特別徴収税額を6月10日(水)までに市区町村へ納付します。
住民税の納付先は、従業員の住所地の市区町村です。
複数の市区町村へ納付が必要な場合は、納付書や電子納税の確認を早めに行いましょう。
2.住民税の特別徴収税額決定通知書と6月給与の確認
6月は、従業員の個人住民税について、
新年度分の特別徴収税額決定通知書をもとに給与控除額を切り替える時期です。
多くの自治体では、5月下旬から6月頃にかけて、事業者へ特別徴収税額決定通知書が送付されます。
給与計算担当者は、通知書に記載された月割額を確認し、
6月給与から新しい住民税額で控除を開始します。
控除額の入力ミスや、退職者・休職者・中途入社者の取扱いに注意しましょう。
令和6年度に実施された定額減税では、住民税の特別徴収について、
令和6年6月分は徴収せず、令和6年7月分から令和7年5月分までの11か月で徴収する取扱いが行われました。
令和8年度については、各自治体から届く特別徴収税額決定通知書の内容を確認し、
給与計算ソフトの住民税額が通知書どおり反映されているかを必ず確認しましょう。
定額減税や住民税額の変更があった年は、給与明細上の控除額が通常年と異なることがあります。
従業員から問い合わせがあった場合に説明できるよう、通知書と給与計算データを照合しておくと安心です。
3.令和8年6月30日(火)までの手続き
住民税の納期の特例分(12月〜5月分)の納付
住民税の特別徴収について納期の特例の承認を受けている事業者は、
令和7年12月から令和8年5月までに徴収した住民税を、
6月30日(火)までに納付します。
納期の特例は、毎月納付ではなく、一定期間分をまとめて納付できる制度です。
ただし、まとまった金額の納付になるため、資金繰り表にあらかじめ反映しておくことが大切です。
個人住民税第1期分の納付
普通徴収により個人住民税を納付している方は、
第1期分の納期限が6月30日(火)となる自治体が多くあります。
ただし、個人住民税の納期限は自治体の条例により異なる場合があります。
実際の納期限は、お住まいの市区町村から届く納税通知書で確認してください。
4月決算法人の法人税等・消費税の確定申告
4月決算法人は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内に、
法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税等の確定申告と納付を行います。
したがって、4月決算法人の申告・納付期限は6月30日(火)です。
消費税の課税事業者である場合には、消費税および地方消費税の確定申告も同日までに行います。
決算整理、税額計算、納税資金の準備を早めに進めましょう。
10月決算法人の法人税等の中間申告
10月決算法人で中間申告が必要な法人は、
法人税等の中間申告・納付期限が6月30日(火)です。
前期実績による予定申告、または仮決算による中間申告のいずれかを選択する場合があります。
消費税の中間申告
消費税の中間申告は、直前の課税期間の確定消費税額に応じて回数が決まります。
国税庁は、直前の課税期間の確定消費税額が48万円以下の場合は原則として中間申告不要、
48万円超400万円以下は年1回、400万円超4,800万円以下は年3回、
4,800万円超は年11回の中間申告が必要と説明しています。
令和8年6月30日(火)には、次の法人などで消費税の中間申告・納付が必要となる場合があります。
- 前年度の確定消費税額が48万円超400万円以下の10月決算法人
- 前年度の確定消費税額が400万円超4,800万円以下の10月決算法人
- 前年度の確定消費税額が4,800万円超の法人で、毎月の中間申告が必要な法人
消費税の中間納付は資金繰りに影響しやすいため、納付予定額を事前に確認しておきましょう。
4.6月決算法人は簡易課税制度の届出に注意
6月決算法人が、令和8年7月開始事業年度から消費税の簡易課税制度を適用したい場合、
原則として令和8年6月30日(火)までに
「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。
国税庁は、簡易課税制度について、
その課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が、
適用を受けようとする課税期間の初日の前日までに届出書を提出することで選択できる制度と説明しています。
また、簡易課税制度の適用を取りやめる場合にも、
原則として適用をやめようとする課税期間の初日の前日までに届出が必要です。
簡易課税は一度選択すると原則として2年間は継続適用が必要となるため、
本則課税との有利不利を事前に確認しましょう。
5.6月は電子納税の活用がおすすめです
6月は、源泉所得税、住民税、法人税、消費税など、納付件数が多くなりやすい月です。
金融機関の窓口で納付する場合、納付書の作成や窓口訪問に手間がかかります。
国税については、e-Taxを利用した電子納税やダイレクト納付を活用できます。
ダイレクト納付は、事前に届出を行った預貯金口座から、指定した日に税金を引き落とす方法です。
源泉所得税徴収高計算書をe-Taxで送信した場合、受信通知から電子納税の手続きへ進むこともできます。
地方税についても、eLTAXの地方税共通納税を利用することで、
複数の地方公共団体への納付を電子的に行うことができます。
住民税の特別徴収税額の納付先が複数ある事業者は、電子納税を活用することで事務負担を軽減できます。
当事務所では、電子申告だけでなく、電子納税やダイレクト納付の導入についてもサポートしています。
納付件数が多い事業者は、早めに電子納税の体制を整えておくことをおすすめします。
6.6月の税務で確認しておきたい実務ポイント
- 源泉所得税・住民税の納付期限を確認する
- 6月給与から新年度の住民税額に切り替わっているか確認する
- 定額減税や住民税額変更がある場合、通知書どおりに給与計算へ反映する
- 住民税の納期の特例を受けている場合、12月〜5月分の納付額を資金繰りに反映する
- 4月決算法人は法人税等・消費税の確定申告準備を早めに進める
- 10月決算法人は法人税等・消費税の中間申告の要否を確認する
- 消費税の中間納付予定額を資金繰り表に入れる
- 6月決算法人は簡易課税制度の選択・不適用届出を確認する
- e-Tax・eLTAX・ダイレクト納付など電子納税の利用を検討する
- 地方税の納期限は自治体ごとに異なる場合があるため、納税通知書を確認する
7.税理士事務所ができるサポート
6月は、法人・個人事業主・給与支払事業者にとって、複数の税務手続きが重なりやすい時期です。
期限管理を誤ると、延滞税や加算税、督促の対象となる可能性があります。
当事務所では、次のようなサポートを行っています。
- 源泉所得税・住民税の納付スケジュール確認
- 住民税の特別徴収税額決定通知書と給与計算データの確認
- 定額減税や住民税額変更に関する給与計算上の確認
- 法人税・消費税の確定申告
- 法人税・消費税の中間申告の要否確認
- 消費税の中間納付額の資金繰り表への反映
- 簡易課税制度の選択・不適用の有利不利判定
- 届出書の提出期限管理
- e-Tax・eLTAX・ダイレクト納付など電子納税の導入支援
「どの税金をいつまでに納めればよいか分からない」
「消費税の中間申告が必要か確認したい」
「簡易課税を選択すべきか迷っている」
「電子納税を導入したい」
という方は、早めに税理士へご相談ください。
8.まとめ
令和8年6月は、5月分の源泉所得税・住民税の納付、
住民税の納期の特例分、4月決算法人の確定申告、
10月決算法人の中間申告、消費税の中間申告、
簡易課税制度の届出など、重要な税務手続きが集中します。
また、6月給与から新年度の住民税控除が始まるため、
特別徴収税額決定通知書と給与計算データの照合も重要です。
定額減税や税額変更がある場合には、通知書の内容を確認し、給与計算へ正しく反映しましょう。
納付件数が多い事業者は、e-TaxやeLTAX、ダイレクト納付などの電子納税を活用することで、
納付事務の負担を軽減できます。
税務スケジュールの管理や届出書の提出漏れに不安がある場合は、
税理士事務所へご相談ください。
参考資料
- 国税庁「No.2505 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例」
- 国税庁「No.6609 中間申告の方法」
- 国税庁「消費税簡易課税制度選択届出手続」
- e-Tax「電子納税」
- e-Tax「ダイレクト納付」
- eLTAX「地方税ポータルシステム」
- 内閣官房「定額減税・各種給付の詳細」
※地方税については、条例により納期限や取扱いが異なる場合があります。
詳細は各自治体の納税通知書・公式情報をご確認ください。







