相続預金の手続きは、戸籍収集、銀行書類の作成、金融機関とのやり取りなど、想像以上に手間がかかります。
さらに、相続税申告が必要な場合には、預金残高や入出金履歴、名義預金の確認も重要になります。
この記事では、相続預金の手続きを税理士に依頼すると何をしてくれるのか、
行政書士・司法書士との違いも含めてわかりやすく解説します。
1.相続預金の手続きは、なぜ専門家に頼まれるのか
銀行の相続手続きでは、金融機関へ相続発生を申し出た後、
必要書類を準備し、銀行所定の相続手続書類を提出し、
その後に払戻しや名義変更を受ける流れになります。
必要書類は、遺言書の有無、遺産分割協議書の有無、相続人の人数、金融機関ごとの取扱いによって変わります。
そのため、相続預金の手続きは「自分でできるけれど、かなり手間がかかる手続き」といえます。
2.税理士に依頼できる主な内容
- 必要書類の確認
- 戸籍謄本・除籍謄本等の収集サポート
- 相続人の確認
- 法定相続情報一覧図の準備サポート
- 銀行所定の相続届・依頼書の作成サポート
- 金融機関との連絡・書類確認
- 残高証明書・取引履歴の取得サポート
- 相続税申告が必要かどうかの確認
- 相続税申告に必要な預金資料の整理
- 手続き全体のスケジュール管理
3.戸籍収集を任せられると負担が大きく減ります
銀行の相続手続きでは、亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍、
相続人全員の戸籍、印鑑証明書などが必要になることがあります。
令和6年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書等を取得できるようになりました。
ただし、広域交付は相続人本人が窓口で請求する必要があり、代理人による請求はできない運用が一般的です。
そのため、専門家に依頼する場合でも、従来どおり郵送請求等で対応する場面があります。
また、古い戸籍の読み解きや相続人の確定は依然として専門的であり、戸籍収集には時間と手間がかかります。
4.法定相続情報一覧図を使うと複数銀行の手続きが楽になります
複数の銀行に口座がある場合、
法定相続情報一覧図を作成しておくと手続きがスムーズになります。
法定相続情報一覧図は、亡くなった方と相続人の関係を一覧にした書類で、
法務局で認証文付きの写しを交付してもらうことができます。
これを使うことで、分厚い戸籍の束を銀行ごとに何セットも提出する負担を減らせます。
複数の銀行、証券会社、不動産手続きがある場合には特に有効です。
5.銀行書類の作成・提出前チェックを依頼できます
銀行ごとに、相続届や依頼書の書式は異なります。
相続人全員の署名・実印押印が必要な場合もあれば、預金を受け取る方のみの署名・押印で足りる場合もあります。
金融機関ごとの条件を確認せずに提出すると、書類不備で差し戻しになることがあります。
専門家に依頼すると、提出前に書類の不足や押印漏れを確認でき、手続きのやり直しを減らしやすくなります。
6.銀行とのやり取り・スケジュール管理も任せられます
相続預金の手続きでは、金融機関から不足書類や内容確認の連絡が入ることがあります。
複数の銀行がある場合、それぞれで進捗を管理する必要があります。
「どの銀行に何を出したか」
「どの書類が返却されたか」
「いつ払戻し予定か」
を整理しておかないと、手続きが途中で止まってしまうこともあります。
7.相続税申告が必要かどうかも確認できます
相続預金の払戻し手続きと相続税申告は別の手続きですが、実務上は密接に関係します。
預金残高、既経過利息、死亡前後の出金、家族名義の預金などは、相続税申告でも重要な確認項目です。
銀行手続きが遅れると、相続財産の全体像の把握も遅れ、
相続開始を知った日の翌日から10か月以内という相続税の申告期限に影響することがあります。
8.相続預金の手続きを税理士に頼むメリット
銀行手続きの代行や書類作成は、行政書士や司法書士などの専門家が対応する場合もあります。
一方で、名義預金の判定や
相続税申告との整合性確認は、税理士が特に強みを持つ分野です。
税理士に依頼することで、単に預金を引き出すだけでなく、
「相続税申告で問題にならないか」
「死亡前後の出金をどう説明するか」
「家族名義の預金が名義預金に該当しないか」
まで確認しながら進めることができます。
- 戸籍収集の手間を減らせる
- 銀行ごとの必要書類を整理できる
- 書類不備による差し戻しを減らせる
- 複数金融機関の進捗を管理できる
- 残高証明書や取引履歴を相続税申告にも活用できる
- 死亡前後の出金や名義預金の確認も相談できる
- 税務調査のリスク軽減につながる資料整理ができる
- 10か月の申告期限を意識してスケジュール管理できる
9.どのような方が依頼するとよいか
- 平日に銀行や役所へ行く時間がない
- 複数の銀行・信用金庫・農協・証券会社に口座がある
- 戸籍の集め方が分からない
- 相続人が遠方に住んでいる
- 遺産分割協議書の作成や押印の取りまとめが必要
- 相続税申告が必要かもしれない
- 死亡前後に大きな出金があり、税務上の扱いが不安
- 家族名義の預金があり、名義預金に該当しないか心配
10.料金はどのように考えればよいか
相続預金の手続き代行の料金は、金融機関の数、口座数、相続人の人数、
戸籍収集の難易度、遺産分割協議書の有無、相続税申告の有無などによって変わります。
一見すると自分で行えば費用はかからないように見えますが、
役所・銀行への往復、書類不備によるやり直し、相続人間の連絡調整、
相続税申告との資料整理まで考えると、想像以上に時間と労力がかかります。
11.当事務所の相続預金のお引き出し代行サービス
当事務所では、相続税申告だけでなく、
相続預金のお引き出し代行サービスも行っています。
戸籍収集、法定相続情報一覧図の準備、銀行書類の作成、
金融機関とのやり取り、相続税申告に必要な預金資料の整理まで、
相続預金の手続きをまとめてサポートします。
「銀行に何度も行くのが大変」
「複数の銀行口座があって分からない」
「相続税申告も必要かもしれない」
という方は、下記サービスページをご覧ください。
12.まとめ
相続預金の手続きは、戸籍収集、相続人確認、銀行書類の作成、
金融機関とのやり取りなど、多くの作業が必要です。
金融機関ごとに書式や対応も異なるため、慣れていない方には大きな負担になります。
税理士に依頼すると、銀行手続きだけでなく、
相続税申告の要否、名義預金の確認、死亡前後の出金整理、税務調査リスクを意識した資料整理まで一体で進めやすくなります。
相続預金の手続きに不安がある方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。
参考資料
- 全国銀行協会「預金相続の手続の流れ」
- 全国銀行協会「預金相続の手続に必要な書類」
- 法務局「法定相続情報証明制度について」
- 法務省「戸籍証明書等の広域交付制度」
- 三菱UFJ銀行「ご用意いただく書類」
- 国税庁「相続税の申告と納税」
※金融機関や国税庁の資料は更新されることがあります。公開時・更新時にはリンク切れや最新年度版への差し替えをご確認ください。







