第3話 相続の銀行手続きはなぜこんなに大変?必要書類と手続きの流れを解説 - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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第3話 相続の銀行手続きはなぜこんなに大変?必要書類と手続きの流れを解説

親や家族が亡くなった後、銀行預金の相続手続きを進めようとして、
「戸籍をたくさん集める必要があると言われた」
「銀行ごとに必要書類が違って分からない」
「平日に何度も銀行へ行く時間がない」
と困る方は少なくありません。

相続の銀行手続きが大変なのは、銀行が
誰が相続人なのか
誰が預金を受け取る権利を持つのか
相続人全員の同意があるのか
を慎重に確認する必要があるためです。

1.銀行の相続手続きが大変な理由

口座名義人が亡くなると、銀行はその口座を相続手続きの対象として扱います。
口座が凍結されると、相続手続きが完了するまで、原則として預金の引き出しや振込、口座振替などができません。

銀行としては、相続人の一人に誤って払い戻してしまうと、他の相続人とのトラブルにつながるおそれがあります。
そのため、戸籍や遺産分割協議書、印鑑証明書などにより、相続関係と払戻し権限を確認してから手続きを進めます。

2.銀行手続きで必要になりやすい書類

預金相続手続きでは、一般的に次のような書類が必要になります。

  • 遺産分割協議書(法定相続人全員の署名・実印押印があるもの)
  • 亡くなった方の除籍謄本・戸籍謄本・全部事項証明書(出生から死亡までの連続したもの)
  • 相続人全員の戸籍謄本または全部事項証明書
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 銀行所定の相続届
  • 通帳、証書、キャッシュカード、貸金庫の鍵など

遺言書や遺産分割協議書の有無によって必要書類が変わるため、
ここでつまずく方が多くなります。

3.戸籍一式の収集が特に大変です

相続手続きでは、亡くなった方の
出生から死亡までの連続した戸籍
が必要になることが一般的です。

これは、誰が法定相続人なのかを確定するためです。
戸籍は、結婚、転籍、法改正による改製などによって複数に分かれていることがあります。

なお、令和6年3月1日からは、戸籍証明書等の
広域交付制度が始まりました。
これにより、本籍地以外の市区町村窓口でも戸籍証明書や除籍証明書を請求できるようになり、
遠方の役所へ個別に請求する負担は一部軽減されています。

ただし、相続で必要となる出生から死亡までの戸籍を集める場合、
古い戸籍や改製原戸籍の確認が必要になることも多く、
発行までに時間がかかることがあります。
また、戸籍の内容を読み解き、相続人を正確に確定する作業は依然として専門的です。

4.相続関係図・法定相続情報一覧図を使うと手続きが楽になります

戸籍の束を何度も銀行へ提出するのが大変な場合には、
法定相続情報一覧図の活用が有効です。

法務局の法定相続情報証明制度では、亡くなった方と相続人の関係を一覧にした図を作成し、
戸籍一式とともに法務局へ申し出ることで、登記官の認証文付きの写しを交付してもらえます。

複数の銀行や証券会社に口座がある場合、
法定相続情報一覧図を使うことで、
分厚い戸籍の束を何セットも用意する負担を減らせます。
相続預金の手続きでは非常に実務的な書類です。

5.遺産分割協議書が必要になるケース

遺言書がなく、相続人全員で預金の分け方を決める場合には、
遺産分割協議書が必要になることがあります。

遺産分割協議書には、誰がどの財産を取得するのかを記載し、
相続人全員が署名し、実印を押印します。
印鑑証明書もあわせて必要になるのが一般的です。

相続人の一人でも署名・押印に応じない場合、銀行手続きが進まないことがあります。
相続人が遠方に住んでいる場合や、相続人間で意見が分かれている場合は、
書類の取りまとめだけでも時間がかかります。

6.銀行ごとに書式や対応が違うことも負担になります

相続手続きでは、実際の書式や提出方法が金融機関ごとに異なります。

  • 銀行所定の相続届の様式が違う
  • 印鑑証明書の有効期限が金融機関ごとに異なる
  • 原本提出が必要か、コピーでよいかが異なる
  • 郵送対応できるか、窓口対応が必要かが異なる
  • 遺言書がある場合とない場合で手続きが変わる

1つの銀行だけなら何とか対応できても、複数の銀行、信用金庫、農協、証券会社があると、
同じような説明と書類提出を何度も繰り返すことになります。

7.相続税申告との関係も確認が必要です

銀行手続きで集めた残高証明書や通帳の履歴は、
相続税申告でも重要な資料になります。
相続税の申告では、相続開始日時点の預貯金残高だけでなく、
死亡前後の出金、既経過利息、家族名義の預金なども確認が必要です。

また、銀行手続きが遅れると、相続財産の全体像の把握も遅れ、
相続開始を知った日の翌日から10か月以内という相続税の申告期限に間に合わなくなるリスクがあります。

家族名義の預金であっても、被相続人が取得資金を拠出していたことなどから
被相続人の財産と認められるものは、相続税の課税対象になることがあります。
銀行手続きと相続税申告は別々の手続きですが、確認すべき資料は大きく重なります。

8.手続きを自分で行う場合の流れ

相続預金の手続きを自分で進める場合、おおむね次のような流れになります。

  1. 金融機関へ死亡の連絡をする
  2. 必要書類の案内を受ける
  3. 戸籍一式を収集する
  4. 相続人全員の印鑑証明書を集める
  5. 必要に応じて遺産分割協議書を作成する
  6. 銀行所定の相続届を作成する
  7. 金融機関へ書類を提出する
  8. 不備があれば修正・追加提出を行う
  9. 預金の払戻し・名義変更を受ける

戸籍が1通足りない、印鑑証明書の期限が切れている、
相続届の押印が違うといった理由で、再提出になることもあります。

9.書類収集から銀行対応まで専門家に依頼できます

相続の銀行手続きは、必要書類が多く、金融機関ごとに対応も異なるため、
慣れていない方にとっては大きな負担になります。

特に、平日に銀行や役所へ行く時間が取れない方、
相続人が遠方にいる方、
複数の銀行口座がある方は、手続きに時間がかかりやすいです。

当事務所では、相続税申告だけでなく、
相続預金のお引き出し代行サービスも行っています。
戸籍収集、法定相続情報一覧図の準備、銀行書類の作成、金融機関とのやり取りまで、
相続預金の手続きをまとめてサポートします。


相続預金のお引き出し代行サービスはこちら

10.まとめ

相続の銀行手続きが大変なのは、
戸籍一式、相続人全員の確認、印鑑証明書、遺産分割協議書、
銀行所定の書類など、多くの資料が必要になるためです。

令和6年3月から戸籍の広域交付制度が始まり、戸籍収集の負担は一部軽減されましたが、
出生から死亡までの戸籍確認や古い戸籍の読み解き、複数金融機関への提出は、依然として時間と手間がかかります。

相続預金の手続きをスムーズに進めたい方は、
書類収集から銀行対応まで専門家に相談することをおすすめします。

参考資料

※金融機関や国税庁の資料は更新されることがあります。公開時・更新時にはリンク切れや最新年度版への差し替えをご確認ください。


事務所通信を参照して作成。

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