【相続】第4話|相続でやってはいけない9つのこと - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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【相続】第4話|相続でやってはいけない9つのこと

〜後で後悔する相続人が多い失敗例〜

第3話では、相続税がかかる可能性があるケースや、
早めに税理士へ相談した方がよい判断基準について解説しました。

相続が発生すると、預貯金の解約、不動産の名義変更、相続人同士の話し合い、
税務署への申告など、多くの手続きが必要になります。
その中で、よかれと思って行った行動が、後からトラブルや税務リスクにつながることがあります。

今回は、相続が発生した後にやってはいけない9つのことを解説します。
相続手続きで後悔しないために、早い段階で確認しておきましょう。

1.相続人の同意なく預金を勝手に引き出す

亡くなった方の預貯金について、
「葬儀費用に使うから」
「自分が面倒を見ていたから」
という理由で、相続人の同意なく引き出してしまうケースがあります。

葬儀費用や医療費の支払いなど、必要な支出があることは事実です。
しかし、相続人全員の理解がないまま預金を引き出すと、
後で「使い込みではないか」と疑われ、相続人間のトラブルになることがあります。

また、引き出した現金の使い道が分からない場合、
相続税申告でも問題になります。
亡くなる直前や直後に多額の出金があると、
税務署から「その現金はどこにあるのか」「誰が使ったのか」を確認される可能性があります。

やむを得ず支払いを行う場合は、
領収書、請求書、支払メモを残し、
ほかの相続人にも説明できるようにしておきましょう。

なお、葬儀費用や当面の生活費などのために預金の払戻しが必要な場合には、
民法上の「遺産分割前の預貯金の払戻し制度(仮払い制度)」を利用できる場合があります。
金融機関ごとに手続きが異なりますので、
必要な場合は他の相続人にも説明したうえで、
領収書や記録を残しながら進めることをおすすめします。

2.相続放棄を考えているのに財産を処分する

借金が多い可能性がある場合、相続放棄を検討することがあります。
相続放棄をする場合は、原則として相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、
家庭裁判所へ申述する必要があります。

ここで注意したいのは、相続放棄を検討している段階で、
亡くなった方の財産を処分してしまうことです。

たとえば、次のような行為には注意が必要です。

  • 亡くなった方の預金を自分のために使う
  • 不動産や車を売却する
  • 高価な家財や貴金属を持ち帰る
  • 賃貸物件の敷金返還金を受け取って使う
  • 借金の一部を相続財産から支払う

相続財産を処分したと評価される行為をすると、
相続を承認したものとみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があります。

借金が多い可能性がある場合や、財産の全体像が分からない場合は、
財産を動かす前に専門家へ相談しましょう。

3.遺産分割を口約束だけで済ませる

相続人同士の関係が良い場合、
「うちは揉めないから大丈夫」
「口約束で十分」
と考えることがあります。

しかし、預貯金、不動産、株式などを分ける場合は、
遺産分割協議書を作成しておくことが重要です。
口約束だけでは、後で言った・言わないのトラブルになる可能性があります。

また、不動産の名義変更や預貯金の解約手続きでは、
遺産分割協議書や相続人全員の署名・実印・印鑑証明書が必要になることがあります。

遺産分割協議書は、相続人全員が合意した内容を証明する大切な書類です。
相続税申告が必要な場合にも、誰がどの財産を取得したかを確認する資料になります。

4.相続税申告が必要かどうかを自己判断する

「預金が少ないから相続税はかからない」
「自宅だけだから申告はいらない」
「配偶者が相続するから税金はゼロ」
と自己判断してしまうケースがあります。

しかし、相続税がかかるかどうかは、預貯金だけで判断できません。
不動産、生命保険金、名義預金、生前贈与、非上場株式、貸付金などを含めて確認する必要があります。

また、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使えば税額がゼロになる場合でも、
相続税申告が必要になることがあります。
申告しなければ特例を受けられないケースもあるため注意が必要です。

「税金が出ないと思う」
「申告が必要か分からない」
という段階でも、早めに税理士へ確認しましょう。

5.家族名義の預金を相続財産から外す

相続税の実務で特に問題になりやすいのが、名義預金です。
名義預金とは、口座名義は配偶者や子ども、孫であっても、
実質的には亡くなった方の財産と判断される預金をいいます。

たとえば、次のような預金は注意が必要です。

  • 亡くなった方が資金を出していた家族名義の預金
  • 通帳や印鑑を亡くなった方が管理していた預金
  • 家族本人が預金の存在を知らなかった口座
  • 贈与契約書や贈与税申告がない預金
  • 毎年一定額を家族名義へ移していた預金

「名義が家族だから相続財産ではない」と単純に判断すると、
税務調査で指摘される可能性があります。

名義預金に該当するかどうかは、
資金の出どころ、通帳や印鑑の管理者、贈与の意思表示、
受贈者が自由に使えたかなどを確認して判断します。

6.申告期限ぎりぎりまで放置する

相続税の申告期限は、原則として相続開始を知った日の翌日から10か月以内です。
10か月と聞くと余裕があるように感じるかもしれません。

しかし、実際には次のような作業が必要です。

  • 戸籍収集による相続人確認
  • 預貯金・証券・保険の残高確認
  • 不動産の評価
  • 名義預金・生前贈与の確認
  • 借入金・未払金・葬式費用の整理
  • 遺産分割協議
  • 申告書の作成
  • 納税資金の準備

特に、不動産が多い場合、相続人が多い場合、遺産分割に時間がかかる場合は、
10か月はあっという間に過ぎてしまいます。

申告期限を過ぎると、延滞税や加算税が発生する可能性があります。
相続税申告が必要かもしれないと思ったら、早めに相談しましょう。

7.税務署には分からないと思って財産を隠す

「通帳に載っていない現金なら分からない」
「家族名義の預金なら大丈夫」
「古い贈与だから確認されない」
と考えるのは非常に危険です。

税務署は、相続税調査において、亡くなった方だけでなく、
家族名義の預貯金や過去の資金移動を確認することがあります。

多額の現金引き出し、家族口座への送金、不自然な預金残高の増減、
申告されていない生命保険金や有価証券などは、確認対象になりやすい項目です。

財産を隠したり、名義預金を除外したりすると、
後で追徴税額、過少申告加算税、重加算税、延滞税が発生する可能性があります。

相続税申告では、最初から正しく財産を把握し、説明できる資料を整えることが大切です。

8.不動産の名義変更を放置する

相続した不動産の名義変更、いわゆる相続登記を長期間放置するケースがあります。
しかし、相続登記を放置すると、後々大きな問題になることがあります。

たとえば、相続人の一人が亡くなると、さらにその相続人の相続人が関係し、
権利関係が複雑になります。
売却や担保設定、建物の建替えをしたいときに、相続人全員の協力が必要となり、
手続きが進まなくなることがあります。

また、令和6年4月1日から相続登記が義務化されました。
相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請する必要があります。

不動産がある場合は、相続税申告だけでなく、相続登記の手続きも早めに確認しましょう。
当事務所では、必要に応じて司法書士と連携して対応しています。

9.相続人同士だけで無理に解決しようとする

相続では、税金、不動産、預貯金、保険、借金、戸籍、登記など、
多くの分野が関係します。

相続人同士で話し合うことは大切ですが、
専門的な判断が必要な場面まで自己判断で進めると、
後で修正が難しくなることがあります。

特に、次のような場合は専門家への相談をおすすめします。

  • 相続税申告が必要か分からない
  • 不動産評価が必要
  • 名義預金や生前贈与がある
  • 相続放棄を検討している
  • 相続人同士の意見が合わない
  • 遺言書がある
  • 会社経営者の相続である
  • 納税資金に不安がある

税理士、司法書士、弁護士など、必要な専門家に早めに相談することで、
手続きの遅れやトラブルを防ぎやすくなります。

10.税理士事務所ができるサポート

当事務所では、相続でやってはいけない行動を防ぐため、
初期段階から相続手続き全体を整理するサポートを行っています。

  • 相続税申告が必要かどうかの初期判定
  • 預貯金・証券・生命保険の確認
  • 名義預金・生前贈与の確認
  • 不動産の相続税評価
  • 小規模宅地等の特例の適用確認
  • 相続放棄を検討すべきケースの整理
  • 葬式費用・未払金・債務の整理
  • 遺産分割案ごとの相続税試算
  • 相続税申告期限までのスケジュール管理
  • 司法書士・弁護士など他士業との連携

「これをしても大丈夫か」
「税務上問題にならないか」
「相続放棄に影響しないか」
と迷う場合は、行動する前にご相談ください。

11.まとめ|相続では「先に動く前に確認」が大切です

相続では、よかれと思って行った行動が、
後からトラブルや税務リスクにつながることがあります。

特に、預金の引き出し、財産処分、口約束での遺産分割、
名義預金の除外、申告期限ぎりぎりの対応、不動産の名義変更放置には注意が必要です。

相続手続きは、一度進めてしまうと後から修正しにくいことがあります。
不安な場合は、相続人同士だけで判断せず、早めに専門家へ相談しましょう。

相続が発生したら、まずは財産、借金、相続人を整理し、
税理士へ相談することで、後のトラブルを防ぎやすくなります。

相続手続きで迷ったら、まずはご相談ください

当事務所では、相続税申告が必要かどうか分からない段階からご相談いただけます。
預貯金の引き出し、名義預金、生前贈与、不動産評価、相続放棄の検討など、
相続初期に迷いやすいポイントを一緒に整理します。

「このまま手続きを進めてよいか不安」
「相続税がかかるか確認したい」
「相続人同士で揉めないように進めたい」
という方は、相続税申告サポートをご覧ください。


相続税申告サポートの詳細はこちら

次回予告

第5話では、「相続が発生したら税理士に相談するメリット」をテーマに、
税理士ができること、相続人の負担を減らす方法、相続税申告を早めに相談するメリットを解説します。



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