【令和8年度税制改正】住宅ローン控除の拡充・延長ポイント(子育て世帯・中古住宅・床面積要件など)
ポイント
令和8年度税制改正では、住宅価格の高騰や世帯構成の変化を踏まえ、住宅ローン控除の適用期限を5年延長しつつ、
子育て世帯・若者夫婦世帯や一定の環境性能が高い住宅(新築・既存)を中心に制度が見直されます。
- 適用期限:令和8年1月1日〜令和12年12月31日に入居(居住の用に供する)した場合まで延長
- 床面積要件:所得1,000万円以下は40㎡以上(一定の場合は50㎡以上)
- 災害リスクへの配慮:災害レッドゾーンの新築は(令和10年以降入居分から)対象外
1. 誰が「子育て世帯・若者夫婦世帯」に該当する?
借入限度額の( )内の上乗せ枠は、原則として次のいずれかに該当する場合に適用されます。
- 19歳未満の扶養親族を有する世帯
- 夫婦のいずれかが40歳未満の世帯
※実務上は、入居年・住宅の区分・証明書類の要否など、細かな要件確認が必要です。
2. 借入限度額・控除期間(令和8年以降に入居する場合のイメージ)
下表は、制度全体像をつかむための整理です。実際の適用は「住宅の性能区分」「入居年」「建築確認日」等で変わります。
| 住宅の区分 |
新築 |
既存(中古) |
備考(控除期間など) |
| 長期優良住宅・低炭素住宅 |
4,500万円(5,000万円) |
3,500万円(4,500万円) |
控除期間:原則13年/控除率:0.7% |
| ZEH水準省エネ住宅 |
3,500万円(4,500万円) |
3,500万円(4,500万円) |
控除期間:原則13年/控除率:0.7% |
| 省エネ基準適合住宅 |
2,000万円(3,000万円)
※一定時期以降は取扱いに注意
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2,000万円(3,000万円) |
控除期間:原則13年/控除率:0.7%
※新築は、令和10年以降の取扱い(適用対象外となるケース等)に注意
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| その他住宅 |
—(原則:支援対象外) |
2,000万円 |
既存は10年(リフォームも同様の枠組み) |
新築(省エネ基準適合住宅)で特に注意したい点
- 令和10年以降は、建築確認の時期などにより、適用対象外となる整理が入る可能性があります。
- 制度上の「住宅性能区分」は、証明書類(認定通知書・適合証明等)で判断します。
3. 所得要件・床面積要件・立地要件
(1)所得要件
(2)床面積要件(コンパクト住宅への対応)
- 原則:40㎡以上
- ただし、合計所得金額1,000万円超の方、または子育て世帯等の上乗せ措置を利用する方は、50㎡以上
(3)立地要件(災害レッドゾーン)
令和10年以降に入居する分から、土砂災害等の「災害レッドゾーン」における新築住宅は、原則として住宅ローン控除の対象外となります。
※建替え・既存住宅・リフォームは対象となる整理です(詳細は区域区分の該当性確認が必要)。
4. 住宅ローン控除の手続き(初年度・2年目以降)
(1)控除を受ける「最初の年」
- 原則として、確定申告が必要です。
- 住宅の区分に応じた必要書類(登記事項証明書、残高証明書、各種証明書類 等)を添付して申告します。
(2)2年目以降
- 給与所得者は、要件を満たせば年末調整で適用できるケースがあります(勤務先へ提出)。
- 個人事業主等は、引き続き確定申告で適用します。
5. 税理士からの実務メモ(よくある確認ポイント)
- 「住宅の性能区分」(認定長期優良/低炭素/ZEH/省エネ基準適合 等)は、証明書類で判定します。
- 床面積(40㎡/50㎡)の判定は、所得状況や上乗せ枠の利用有無で変わります。
- 中古住宅では、耐震・省エネ等の要件や証明の取り方が論点になりやすいです。
- 災害レッドゾーンは、自治体のハザード区域指定の確認が実務上重要です。
事務所通信を参照して作成。
