ふるさと納税は、好きな自治体に寄附することで地域を応援しつつ、税金の控除を受けられる制度です。寄附金控除を受けるには、ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する方法と、確定申告を行う方法の2つがあります。この記事では、どちらの方法もわかりやすく解説します。
1. ふるさと納税ワンストップ特例制度を利用する方法
ふるさと納税ワンストップ特例制度は、確定申告が不要な方(主に給与所得者)が簡単に寄附金控除を受けられる便利な制度です。以下の条件を満たす場合に利用できます。
利用条件
- 確定申告が不要な方:給与所得者で、通常確定申告を行わない方。
- 寄附先が5自治体以内:1年間(1月1日~12月31日)の寄附先が5自治体以内に収まること。
- 申請書を提出:寄附ごとに「ワンストップ特例申請書」を提出する必要があります。
手続きの流れ
- ふるさと納税を行う
ふるさと納税ポータルサイト(例:ふるさとチョイス、楽天ふるさと納税など)や自治体の公式サイトを通じて寄附を行います。寄附時に「ワンストップ特例制度を利用する」旨を選択します。
- ワンストップ特例申請書を受け取る
寄附後、自治体から「寄附金受領証明書」と一緒に「ワンストップ特例申請書」が送られてきます。一部の自治体では、申請書をダウンロードする必要があります。
- 申請書を記入・提出する
申請書に以下の情報を記入します:
- 氏名、住所、生年月日
- マイナンバー(個人番号)
- 寄附金額や寄附日
その後、必要書類(マイナンバーカードのコピーや本人確認書類など)を添付し、寄附先の自治体に提出します。提出期限は翌年1月10日必着です。
- 控除の適用
申請が受理されると、翌年の住民税から寄附金額に応じた控除が自動的に適用されます。控除額は、寄附金額から2,000円を差し引いた額が対象です。
注意点
- 寄附先が6自治体以上になる場合や、年内に医療費控除などで確定申告を行う場合は、この制度を利用できません。その場合は確定申告が必要です。
- 住所や氏名に変更があった場合は、翌年1月10日までに「変更届出書」を提出してください。
- 申請書を提出し忘れた場合も、確定申告で控除を受けることができます。
2. 確定申告で寄附金控除を受ける方法
確定申告を行う場合、ふるさと納税の寄附金控除を申告することで、所得税と住民税の両方から控除を受けられます。以下のような方が対象です:
- 自営業者やフリーランスの方
- 給与所得者でも医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告を行う方
- ワンストップ特例の条件(5自治体以内)を満たさない方
手続きの流れ
- 必要書類を準備する
- 寄附金受領証明書:寄附した自治体から送付される証明書。寄附金額や寄附日が記載されています。
- マイナンバーカードまたは通知カードと本人確認書類
- 所得に関する書類(源泉徴収票や事業所得の収支内訳書など)
- 確定申告書を作成する
- 国税庁のウェブサイト(e-Tax)や確定申告書作成コーナーを利用して申告書を作成します。
- 寄附金控除の欄に、寄附金受領証明書に記載された情報を入力します。具体的には、「寄附金控除」の欄に寄附金額(2,000円を除いた額)を記入します。
- 申告書を提出する
- 確定申告期間(通常2月16日~3月15日)に、税務署に申告書を提出します。e-Taxを利用すればオンラインで提出可能です。
- 寄附金受領証明書は、確定申告後に税務署から提出を求められる場合があるため、5年間保管してください。
- 控除の適用
- 所得税の還付:申告後、還付金が指定の口座に振り込まれます(通常1~2ヶ月後)。
- 住民税の控除:翌年の住民税が減額されます。
注意点
- 寄附金受領証明書を紛失した場合、自治体に再発行を依頼できます。
- 控除上限額を超える寄附は控除対象外となるため、事前に控除上限額を確認しましょう。国税庁やふるさと納税ポータルサイトにシミュレーションツールがあります。
- e-Taxを利用する場合、マイナンバーカードとICカードリーダーが必要になる場合があります。
どちらを選ぶべき?
- ワンストップ特例制度:手続きが簡単で、確定申告が不要な給与所得者に最適。寄附先が5自治体以内の場合に利用しましょう。
- 確定申告:複数の自治体に寄附した場合や、すでに確定申告が必要な方はこちらを選択。医療費控除など他の控除と併用可能です。
まとめ
ふるさと納税の寄附金控除は、ワンストップ特例制度と確定申告のどちらかを選んで手続きを行います。ご自身の状況(寄附先の数や確定申告の必要性)に合わせて適切な方法を選び、税制上のメリットを最大限に活用しましょう。不明点がある場合は、税務署や税理士にご相談ください。
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