第5回 創業後に失敗しやすい税務・経理のポイント:早めに整えたい実務の基本 - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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第5回 創業後に失敗しやすい税務・経理のポイント:早めに整えたい実務の基本

創業支援連載|第5回

創業後は、営業や集客、サービス提供に追われ、税務や経理のことが後回しになりがちです。
しかし、創業初年度の対応が遅れると、申告の手間が増えるだけでなく、
資金繰りの見通しや経営判断にも悪影響が出ることがあります。

本記事では、創業後に見落としやすい税務・経理のポイントを、
税理士事務所の実務目線でわかりやすく整理します。

1.「売上はあるのにお金が残らない」を防ぐには

創業後によくある悩みのひとつが、
「売上は出ているのに、なぜか手元資金が増えない」という問題です。

その原因は、利益とお金の動きが一致しないことにあります。
売上が計上されても、入金が先とは限りませんし、経費や税金の支払時期もずれるため、
利益が出ていても資金繰りが厳しくなることがあります。

創業直後に意識したいこと

  • 売上の入金時期を把握する
  • 家賃・人件費・仕入など毎月の固定支出を整理する
  • 税金や社会保険の支払い時期を見越して資金を残す

創業初年度は、会計上の利益だけでなく、
実際の現金残高の動きを毎月確認することが大切です。

2.帳簿づけを後回しにすると後で大変になる

国税庁は、所得を正しく計算して申告するために、
日々の取引を記帳し、帳簿や書類を一定期間保存する必要があると案内しています。

ところが創業後は、本業が忙しくなり、
領収書や請求書をため込んでしまうケースが少なくありません。
記帳を数か月まとめて行おうとすると、
取引内容が思い出せず、経費の抜け漏れや入力ミスが起こりやすくなります。

早めに整えたい経理の基本

  • 事業用口座と個人口座を分ける
  • 現金払いを減らして取引履歴を残しやすくする
  • 毎週または毎月の入力日を決める
  • 請求書・領収書・契約書を整理して保管する

3.青色申告のメリットは「申請しただけ」では受けられない

青色申告は、創業者にとって大きなメリットがある制度ですが、
申請しただけで自動的に節税効果が得られるわけではありません。

帳簿の作成や保存を適切に行い、必要な要件を満たしてはじめて、
青色申告のメリットを活かしやすくなります。

創業時に青色申告の届出を出していても、
日常の記帳や証憑管理ができていなければ、決算や確定申告の段階で苦労しやすくなります。

4.インボイス対応は「登録するかどうか」だけではない

創業後は、インボイス制度への対応も見落としやすいテーマです。
登録するかどうかを決めるだけでなく、
取引先との関係や請求書の発行方法、受け取った請求書の保存方法まで含めて整理する必要があります。

仕入税額控除を受けるためには、原則として帳簿と請求書等の保存が必要とされています。
そのため、登録事業者かどうかにかかわらず、
請求書の保存体制を整えておくことが重要です。

インボイスで確認したいこと

  • 主な取引先が登録を求めているか
  • 請求書に必要事項を記載できるか
  • 受け取った請求書を保存できる体制があるか
  • 消費税申告に対応できる経理体制があるか

5.電子データの保存ルールも後回しにしない

請求書や領収書をメールやPDFで受け取る取引が増えている今、
電子データの保存ルールも重要です。

「紙に印刷しておけば大丈夫」と考えがちですが、
電子取引に関する保存の取扱いは、紙保存とは別に確認が必要になる場面があります。
創業直後から、どの書類を紙で保存し、どのデータを電子で保存するのかを整理しておくことが大切です。

6.家族のお金と事業のお金を混ぜない

個人事業では特に、生活費と事業資金が混ざりやすい傾向があります。
これが起こると、帳簿づけが難しくなるだけでなく、
「何にいくら使っているのか」が見えにくくなります。

創業直後から、事業用の口座・クレジットカード・現金管理を分けるだけでも、
経理の負担は大きく変わります。

7.税金の支払いは「申告時」に急に出てくる

創業後は、売上や経費には意識が向いても、
税金の支払いを見越して資金を残していないケースがあります。

所得税、消費税、住民税などは、事業年度や申告時期の関係で、
ある時点にまとまって支払いが発生することがあります。
そのため、日々の売上をそのまま使ってしまうのではなく、
一定額を税金支払い用として意識的に確保しておくことが大切です。

8.創業初年度ほど「経理の仕組み化」が大切

創業初年度は、事業そのものが固まっていないため、
経理も場当たり的になりやすい時期です。
しかし、最初に仕組みを作っておくと、2年目以降の負担が大きく減ります。

おすすめの仕組み化

  • 会計ソフトを早めに導入する
  • 月1回は数字を確認する日を作る
  • 請求書発行・入金確認・支払管理の流れを決める
  • 必要に応じて税理士へ早めに相談する

まとめ|創業後の税務・経理は「後でまとめて」ではなく「最初から整える」

創業後に失敗しやすいポイントの多くは、
税務や経理を後回しにしてしまうことから生じます。

帳簿づけ、証憑保存、インボイス対応、資金繰り管理などは、
どれも事業の継続に直結する大切な実務です。

最初から完璧である必要はありませんが、
「毎月確認する」「お金を分ける」「書類を残す」
という基本だけでも、創業後の負担は大きく変わります。

創業後の税務・経理のご相談は当事務所へ

記帳体制の整備、青色申告、インボイス対応、資金繰りの見える化など、
創業後の実務は早めの整備が重要です。
当事務所では、創業初年度の経理・税務体制づくりをサポートしています。
お気軽にご相談ください。

参考情報

  • 国税庁「記帳や帳簿等保存・青色申告」
  • 国税庁「仕入税額控除をするための帳簿及び請求書等の保存」
  • 国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」
  • 中小企業庁「金融一般支援」
  • 中小企業庁「小規模事業者の資金繰りの改善に向けた取組」



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