令和8年度税制改正の方向性と教育資金一括贈与の非課税措置終了について
令和8年度税制改正は、「経済あっての財政」をキーワードとして、経済成長を後押しする税制措置が打ち出されています。
本記事は、「令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)」および「令和8年度 経済産業関係税制改正(経済産業省公表)」などの公的資料をもとに整理しています。
1.令和8年度税制改正の基本的な方向性
(1)中小企業向け改正 ― 設備投資促進による“強い経済”の実現
中小企業者等に対しては、大胆な設備投資を促進するための税制措置が講じられます。
経済産業省・中小企業庁の方針に沿い、生産性向上や賃上げを後押しする制度設計が強化される方向です。
- 生産性向上を目的とした設備投資税制
- 中小企業投資促進税制の見直し
- 賃上げ促進税制の拡充・要件整理
特に、設備投資に対する即時償却・税額控除制度は、企業のキャッシュフロー改善に直結するため、活用可否の事前検討が重要です。
・投資計画段階での税額シミュレーション
・経営力向上計画の策定支援
・補助金・税制の併用アドバイス
(2)個人向け改正 ― 物価高への対応
個人所得課税では、物価上昇に連動した基礎控除額等の見直しが行われます。
生活者支援の観点から、税負担の実質的な軽減を図る改正が盛り込まれています。
- 基礎控除額の引上げ
- 給与所得控除の見直し
- 扶養控除等の調整
今後の法案成立内容によっては、年末調整・確定申告実務への影響も想定されます。
2.教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税措置の終了
教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置は、令和8年3月31日で終了します。
直系尊属(父母・祖父母など)から教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税非課税措置は、令和8年3月31日までで終了します。
同日までに拠出された金銭等については、従来どおり非課税措置の適用を受けることが可能です。
(1)制度の概要(現行制度)
- 受贈者:30歳未満の子・孫等
- 非課税限度額:最大1,500万円(学校等以外は500万円まで)
- 金融機関での専用口座管理が必要
(2)終了に伴う実務上の注意点
- 令和8年3月31日までの契約・拠出が必須
- 贈与契約書の作成日と資金拠出日の確認
- 教育資金該当性の厳格な判定
- 残額に対する課税関係の確認
制度終了前は駆け込み利用が増える可能性があるため、早めのご相談をおすすめします。
3.今後の資産対策の考え方
教育資金贈与制度終了後は、以下の代替的な資産移転手法の検討が必要です。
- 暦年贈与(基礎控除110万円)
- 相続時精算課税制度の活用
- 住宅取得等資金贈与の特例
- 学資保険の活用
令和6年以降、相続時精算課税制度は基礎控除が創設されるなど使いやすくなっています。
家族構成・財産状況・将来の相続税見込みを踏まえた総合的な判断が重要です。
・贈与・相続シミュレーション
・教育資金贈与の駆け込み対応
・相続時精算課税との比較検討
をサポートしております。
まとめ
令和8年度税制改正は、企業の成長支援と生活者支援を両立させる内容となっています。
特に教育資金の一括贈与制度は終了期限が明確であるため、該当するご家庭は早急な検討が必要です。
税制改正は毎年実務に大きな影響を及ぼします。
制度を正しく理解し、適切に活用することで、税負担の最適化と将来設計の安定につながります。








