「飲食料品に消費税をかけない」とは?|税率0%と非課税で事業者への影響は大きく変わります - 【近江八幡・滋賀】税理士|澤田匡央税理士事務所
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「飲食料品に消費税をかけない」とは?|税率0%と非課税で事業者への影響は大きく変わります

物価高対策の一つとして、「飲食料品に消費税をかけない」という議論が注目されています。
消費者にとっては負担軽減につながる一方、事業者にとっては制度設計次第で消費税の納付額や利益に大きな差が生じます。

特に重要なのは、飲食料品の取引を
「税率0%の課税取引」とするのか、
それとも「非課税取引」とするのかという点です。

1.現行制度:飲食料品は軽減税率8%

現在、飲食料品(酒類・外食等を除く)は軽減税率8%の対象です。
食品表示法に基づく「人の飲用・食用に供されるもの」が該当します。

2.「税率0%」と「非課税」は全く別の制度です

(1)税率0%の課税取引(免税取引)とは

税率0%とは、取引自体は課税取引でありながら、適用税率を0%とする仕組みです。
輸出取引などと同じ「免税取引(Export exemption)」に近い考え方です。

売上に係る消費税は0円ですが、課税取引であるため、
仕入に係る消費税は原則として控除できます。

※なお「免税取引」と「免税事業者」は全く別の概念であるため注意が必要です。

(2)非課税取引とは

非課税取引は、消費税の課税対象から外される取引です。
土地の譲渡や利子などと同様、そもそも消費税の対象外となります。

この場合、売上に係る消費税は発生しませんが、
仕入に係る消費税は控除できません。

3.税率0%の場合:仕入税額控除が可能(還付もあり得る)

税率0%の場合、売上に係る消費税は0円ですが、
包装材・設備・広告費などの仕入に係る消費税は控除できます。

本則課税では、仕入税額が上回れば還付が発生する可能性があります。

【実務上の注意】
大幅な還付が生じる申告の場合、
税務署から仕入内容・在庫状況などについて
詳細な説明を求められることがあります。
そのため、帳簿・証憑の正確な管理が重要になります。

一方、簡易課税の場合は実額控除ではないため、
還付のメリットは限定的です。

4.非課税の場合:仕入税額控除ができずコスト増

非課税取引の場合、売上消費税は0円ですが、
仕入に含まれる消費税は控除できません。

その結果、仕入税額がコストとして残り、
利益が圧迫される可能性があります。

5.飲食料品を扱うすべての事業者に影響

小売業だけでなく、製造業・卸売業・EC・飲食業など
幅広い業種に影響があります。

6.レジ・インボイス・会計対応の見直しが必要

制度変更により、レジや会計処理の見直しが必要になります。

  • 税率区分の設定変更
  • 商品区分の見直し
  • インボイス対応

【インボイス制度との関係】
非課税取引となった場合、その売上については
インボイスの発行義務はありません

一方、税率0%の課税取引であれば、
引き続きインボイスの発行が必要となります。

この違いにより、事務負担や取引先対応にも影響が出ます。

7.価格設定・利益への影響

税率0%なら影響は比較的小さい一方、
非課税の場合は実質的なコスト増となる可能性があります。

8.実務チェックポイント

  • 売上区分の整理(飲食料品・外食等)
  • 課税方式(本則・簡易)の見直し
  • 仕入税額控除の影響試算
  • インボイス対応の確認

9.まとめ

「消費税をかけない」という政策でも、
税率0%か非課税かで事業者への影響は大きく異なります。

特に仕入税額控除の可否が、
利益や資金繰りに直接影響する点が重要です。

制度確定前の段階から影響を試算し、
税理士とともに対応方針を検討することをおすすめします。

参考資料


事務所通信を参照して作成。

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